孤独な先輩と空しか撮れない私の話。
俺はずっと孤独だった。
容姿のせいで、周りに人は溢れるほどいるのに、どこか自分じゃない別人を見つめているみたいで、向けられる歓声も、賞賛も、俺ではない俺の視界を塞ぐ誰かに向けられているものみたいに遠かった。
そして、俺はいつの間にか知らない誰かに求められる、誰にでも分け隔てなく接し、ずっと笑顔のままのイケメンを演じるようになっていた。
そうすれば、自分を守れる。
自分の視界を塞ぐ誰かのふりをすれば、向けられる歓声と賞賛が本物になる。
本物になれば、きっと辛くない。
自分のままが褒められるのだから、嬉しいはずだったのに、湧いてくるのは、俺のことを何も知らない友達と焦燥感と孤独。
そんな時、俺はカメラを始めた。
高校の部活動紹介。
先輩が高々と掲げた写真は本物の美しさだった。
口角をくっきりと上げてくしゃくしゃに笑う笑顔。
誰も自らの感情を覆い隠そうとせず、気のままに映る。
だから、俺は人を撮る。
人の笑顔、頑張っている姿を撮る。
その瞬間だけは嘘じゃない。
そのままの自分のまま、フレームの先の相手の表情を信じられる。
向けられる対象が心の芯まで入ってきて、偽物じゃないって思える。
俺にとって、カメラだけが本物を映す鏡だった。
でも、凪はカメラで写さなくても本物のままだった。
俺に対しても無関心で、人に興味を示さない。
どんな時でも、ずっと空を眺めている。
観察対象をじっくりと見て、納得のいく形になるまでこだわる。
本物のまま撮る凪の写真は、優しく静謐。
容姿のせいで、周りに人は溢れるほどいるのに、どこか自分じゃない別人を見つめているみたいで、向けられる歓声も、賞賛も、俺ではない俺の視界を塞ぐ誰かに向けられているものみたいに遠かった。
そして、俺はいつの間にか知らない誰かに求められる、誰にでも分け隔てなく接し、ずっと笑顔のままのイケメンを演じるようになっていた。
そうすれば、自分を守れる。
自分の視界を塞ぐ誰かのふりをすれば、向けられる歓声と賞賛が本物になる。
本物になれば、きっと辛くない。
自分のままが褒められるのだから、嬉しいはずだったのに、湧いてくるのは、俺のことを何も知らない友達と焦燥感と孤独。
そんな時、俺はカメラを始めた。
高校の部活動紹介。
先輩が高々と掲げた写真は本物の美しさだった。
口角をくっきりと上げてくしゃくしゃに笑う笑顔。
誰も自らの感情を覆い隠そうとせず、気のままに映る。
だから、俺は人を撮る。
人の笑顔、頑張っている姿を撮る。
その瞬間だけは嘘じゃない。
そのままの自分のまま、フレームの先の相手の表情を信じられる。
向けられる対象が心の芯まで入ってきて、偽物じゃないって思える。
俺にとって、カメラだけが本物を映す鏡だった。
でも、凪はカメラで写さなくても本物のままだった。
俺に対しても無関心で、人に興味を示さない。
どんな時でも、ずっと空を眺めている。
観察対象をじっくりと見て、納得のいく形になるまでこだわる。
本物のまま撮る凪の写真は、優しく静謐。