熱く胸を焦がして
 彼の瞳を見た時に体中を駆け抜けた電流⋯⋯。
 これが一目惚れ?まさかね。

 私には恋人がおらず、募集もしていない。
 恋人不在も七年目にもなると、恋の始まりがどんなものだったかさえ、もう思い出せない。
 もう古傷は疼いていないはずなのに、二度と恋などしないという頑なな思いだけは、未だ消えずにいる。

「村木さん、聞いてる?」
 先輩職員の声に、再び我に返る。
「え!?あ、すみません⋯⋯!」
「全く⋯⋯相馬さん、ごめんなさいね。彼女、まだ新米で」
「いえいえ、お気になさらず」
 仕事中なのに、つい思考がすっ飛んでしまっていた。
 血税で食べている身なのだから、もっとシャキッとしなければ。

 相馬さんは帰りしな、
「僕も新米なんですよ。近々また来る予定がありますので、お互い頑張りましょう」
 そう言って微笑みかけてくれた。
 あ⋯⋯やはり、この目の感じが、何故かどうしようもなく懐かしい。
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