熱く胸を焦がして
 先輩職員は呆れ顔で、相馬さんを会議室へ案内し、私も慌ててあとに続いた。

 ここは、人口千人程度の山合にある小さな町のコミュニティセンター。
 図書館、児童館、カフェ、日帰り入浴施設の複合施設である。

 大学で図書館司書の資格を取得した私は、故郷であるこの町にUターン就職。
 私が高校進学で町を離れた7年前にはまだ、このコミュニティセンターはなかった。
 若者が殆どいないこの町にこんな洒落た施設ができたことに驚いたものだ。

 若者が殆どいないという意味では、この相馬という職員⋯⋯同世代のはずだが、全く知らない人だ。
 この町は過疎化のため、6歳から15歳までの義務教育の子供たちが同じ学校で過ごす。
 ゆえに、同世代というと、大体みんな顔見知りである。
 相馬さんは、都市部からの移住してきた人なのだろう。

 ただ、不思議なことに、先ほど初めて会ったはずが、何故かそうは思えなかった。
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