大変な物を拾ってしまいました
次の日の朝、ダンジョンの中に入る。

「よし!ここは地下30階のダンジョンだ。目標は半分くらいまで行けたら良いかな?行くぞ!」

「おー!」

「アイガー!楽しみだね!魔獣!どんな子がいるんだろう!」

このダンジョンは、地下に深くなっているらしく段々、深くなるに連れて、強い魔獣が出てくるらしい。

最初は、他の皆が敵を倒して行った。

地下10階に来た。

他のパーティーさん達が順番で待っている。

「ニッカさん。皆、どうして、ここで待っているんですか?」

「あ?あぁ。ダンジョンはパーティー毎に入るんだ。特にこういうボスの所は。ここは中ボスだから皆待ってる。」

「そうなんですね。ボスは1人じゃないんですか?」

「ん?あぁ。この近くか、ここの最下層に魔王がいるんだ。魔王がいる限り何度でも復活する。」

「魔王を倒しには行かないんですか?」

「ははっ。魔王なんて無理だよ。」

「ニッカ。シャル。順番が来た。行くぞ。」

扉を開けて、中に入ると、大きな影があった。

そこにいたのは、池があり、大きなアメンボのような魔獣だった。

地面には、大きな穴がボコボコ開いている。

「皆、死ぬなよ!行くぞ!」

「おー!」

大アメンボに向かって行くと、タッパさんが切り掛かった。

…が、全く刃が通らない。

「くそっ!ニッカやれ!」

「あぁ!火魔術、ファイアントボール!」

ダメージ1

「ダ、ダメージ1!?俺の最大魔術が!?」

「くそっ!だったら!シャイニングソード!」

タッパさんの剣が光り大アメンボに切り掛かった。

ダメージ3

「ダメージ3!?俺の…俺の奥義が3?む、無理だ…っ。し、死ぬ…っ。逃げろ!」

「でも倒すか全員死なないとここから出れない!」

「少しずつダメージを…うわっ!」

大アメンボがパックリ口を開けて襲いかかって来た。

「うわっ!痛ってぇぇぇ!」

「すぐに手当を…っ。どうしよう…。手が食べられた…ッ。」

「俺の、俺の手がぁぁぁ!」

そんなに強いなんて!

「アイガー!ブラックアウト!」

アイガーが大きなアメンボを睨むとその下が闇に包まれてアメンボは闇に飲み込まれて消えた。

ーダメージ1000ー

ダンジョン大アメンボ攻略成功。

魔獣師シャル経験値10↑

魔獣アイガー経験値10↑

大アメンボの石

宝箱1

「え?終わり?」

「うおー!やったぜ!勝った!」

「あのタッパさん…手…。あ、アイガー、さっき飲み込んだアメンボの中の手を取り出せる?」

アイガーはため息を吐くと、目を瞑り、とんっと前足を叩くとタッパさんの手が目の前に現れた。

「これでケニーさん、治せますか?」

「やってみる。」

何か呪文を唱えるが、何も起こらない。

「無理だわ。」

「くそっ。くそっ。」

「アイガー再生できる?」

ぶいっと違う方向を向くアイガー。

こういう時は出来るけどしたくないの合図。

私はアイガーを抱きしめた。

「お願い。アイガー。初めて出来た仲間だし…。ね?」

アイガーは私の心臓に頭を擦り付ける。

「終わったら魔力あげるから。ね?」

するとアイガーは再生を使い、タッパさんの手を治してくれた。

「ありがとう!アイガー!」

「おおお!助かった!シャル!お前、こんな魔獣、扱えるのスゲェよ!」

「よし!ここから出よう!」

「まだありますけど…。」

「これ以上は無理だ。また修行してからだ。」

「なるほど。」

皆がゾロゾロ出口に向かう中、アイガーは、私の前で通せんぼをして上に乗れと身体を推して来た。

私が乗ると、アイガーは走り出した。

「ちょ、ちょっとアイガー!」

先ほどより少ない人数が待っている扉に来た。

「ここは?」

「ん?女の子1人でここに来たのか!?」

「えっとここは?」

「地下20階の中ボス2体目。上のアメンボなんざ比べ物にならない。」

「え?地下20階!?アイガーもしかして戦いたいの?」

そう言うとアイガーは私に身体をなすり付ける。

「やってみよっか。」

初めてアイガーがしたい事、教えてくれた。

嬉しい。

私の順番になり、中に入った。

「蛇?大きい…。」

大蛇は先に襲いかかって来た。

私を狙って大きく口を開けている。

食べられる!

横からアイガーが大蛇の首を噛んだ。

すると大蛇はアイガーの身体に巻きつき締め殺そうとしているようだ。

「アイガー!吸収!」

するとみるみるうちに大蛇は干からびた。

ー大蛇攻略成功ー

魔獣師シャル経験値30↑

魔獣アイガー経験値10↑

報酬大蛇の目

「アイガー!やったね!疲れてない?出たら休もうか。」

扉を出ると誰もいない所でアイガーの頭を抱きしめた。

「初めて、アイガーと戦えて嬉しい。アイガーがしたい事、初めて言ってくれて嬉しい…っ。」

アイガーは私を寝かせるとワンピースの中に頭を突っ込み心臓の上の肌を舐め始めると、意識が朦朧として来た。

するといつも夢に出てくる綺麗な男の人が嬉しそうに私の頬を撫でている。

そこで私は意識を手放した。



目が覚めると、アイガーは私の枕になってくれていた。

「アイガー。ごめん。また気を失ってたんだね。今、地下20階で、ここは30階まであるんだっけ?もう出る?きゃっ。」

アイガーは私を自分の背中に乗せて走り、地下へ降りて行った。

そして、誰もいない扉の前に来た。


「アイガー。ここ多分、30階。行きたいのね?」

そう言うと、アイガーは私の頬を舐めた。

「行こう!」

扉を開けると、そこには、大きな角の生えた牛がいた。

「あ!バッファロークロだ!図鑑で見た!あの子!私の魔獣になってくれないかな。アイガー!殺さないで!気絶させて!後で…っ!」

アイガーが飛び出し、バンッと前足を地面に叩くとバッファロークロは気絶した。

「ありがとう!あっ!」

こちらを見てニヤリと笑ったような気がすると、アイガーは、バッファロークロの首に噛み付き殺してしまった。

「あ!アイガー!酷い!今のわざとでしょ!」

プイッとそっぽを向くアイガー。

シンシラの森ダンジョン攻略成功

魔獣師シャル経験値300↑
魔獣アイガー経験値100↑

報酬シンシラの石


「アイガー!ダンジョン攻略だって!すごいね!頑張ったね!こんなお宝まで貰えるなんて、ダンジョンすごいね!」

私がダンジョンから出るとそこにいる人達が皆寄ってきた。

「ひ、1人で!?すげぇ!」

「なんか他のパーティー逃げたらしい。」

「1人なら俺たちの所に入ってよ!」

「えっと…。」

人に囲まれて困っていると、アイガーが私の首を甘噛みして襟を噛んで、背中に乗せた。

そして、その場を走り去った。

アイガーは、何かを探しているようで、走っては止まりを繰り返している。

そして谷の奥深くの暗い入り口の前で止まった。

「ここは?」

なんかこの地下にいる。

さっきのダンジョンにいた魔獣達よりも大きな力の何か…。

「もしかして、これがさっきニッカさんが言ってた魔王?」

コクリとアイガーが頷く。

アイガーは私を乗せたまま中に入る。

するとお城がそびえ立っていた。

その近くでアイガーは私を下ろすと、私を押し倒して魔力を吸い上げた。

私はまた気を失った。





目覚めるとアイガーが木の実を取ってくれていたようで目の前に置かれていた。

アイガーは私の下で寝ている。

「アイガーありがとう。」

私は木の実を食べて準備を済ませた。

「いつでも行けるよ!アイガー!」

アイガーは私を背中に乗せて城の中に入った。

さっきのバッファロークロ並の魔獣がわんさかいて襲いかかってくるが、アイガーはもろともせず全て闇に引きずり込んだ。

「アイガー!1匹だけでも残して!お願い!」

その願いも虚しく全滅だった。

「うぅ。色んな種類の魔獣いたのに…っ。もうっ!」

また知らんぷり。

奥の部屋に入ると、綺麗な同じ年くらいの男の子が真ん中の玉座に座り笑っていた。

「ははっ。ここに来ただけでも、なかなかなのに、どんな強面な奴らかと思えば女の子1人?魔獣師ちゃんか…って、えっ?君…、その魔獣…っ。これ、本気出さないとやられるパターンかも…。俺はスファン。水の魔王。『強欲』に『闇』と『光』?何それ。欲しいね…。頂くよ。それ。」

ゆっくりとスファンが立ち上がり、アイガーと対峙する。

「ウォーターウォール!」

水の球の様な物がアイガーを包み込んだ。

「ははっ。息、出来ないね。そのまま窒息してしまいなよ!」

「アイガー!ブラックアウト!」

水なんて闇に吸収できる?

と思ったが出来た。

「アイガー!ブラックアウト!」

スファンの下に闇が広がる。

「うわっ!あっぶなー。もう少しで引きずられる所だった。」

「ウォーターガン!」

「アイガー!ブラックスピード!」

水の鉄砲の銃弾が飛んで来たが、それを避けてアイガーが突進する。

「くっ!」

一発水の銃弾がアイガーの肩に当たった。

それでも前に進みアイガーがスファンの首筋に噛み付いた。

「うわぁぁっ。ぐはっ。」

スファンが倒れ、アイガーはスファンの胸の辺りに甘噛みをした。

するとアイガーが水を纏った。

「えっ?」

ー水の魔王スファン撃破成功ー

魔獣師シャル経験値2000↑

水魔術取得

魔獣アイガー経験値500↑

水魔術取得

「すごい!アイガー!水魔術使えるの?の前に回復して?アイガー再生!」

アイガーの身体は回復した。

すると倒れたスファンの姿がみるみる薄く小さくなった。

小さな球になってフワフワと浮いて地面スレスレを浮いている。

私は跪き手を伸ばすと私の手のひらに乗った。

すると温かくなり…おたまじゃくしになった。

「え?もしかしてスファン?」

するとピチピチと尾を動かしている。

「水。水!」

私は、とりあえず近くにあった花瓶に水を入れておたまじゃくしになったスファンを入れた。

おたまじゃくしは、花瓶を押して私の側に来た。

「一緒に来たいの?」

花瓶の中でクルクル回ってる。

ガルルルルと威嚇するアイガーを抱きしめた。

「私の1番はアイガーだよ?でも他の魔獣も育てて戦えないと、いつまでも私、強くなれないの…。お願い。アイガー。」

私の気持ちをわかってくれたのか、アイガーは私の口を舐めて来た。

「わかってくれてありがとう。」

私はおたまじゃくしに向かった。

「私の魔獣になってくれる?」

おたまじゃくしと私が光に包まれた。

「契約成立だね。よろしくね。じゃあ魔力あげなきゃね。」

そう言うと、おたまじゃくしを胸に乗せようとするとアイガーが叩き落とした。

「ちょっとアイガー!」

アイガーは私を押し倒し、おたまじゃくしのスファンを私の手のひらに乗せた。そして自分は私の胸元を舐めた。

「縄張りがあるの?スファンはそこでも魔力吸える?」

私はまた気を失った。




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