PRIMUS ―推しの家に家事代行として通ったら、毎日が幸せすぎます!―
「何もしてないのに……ひなた、悪者になってるよ」 
多分、雪くんも私と同じようにエゴサーチをしたんだ。あんなものを見てしまえば、不安ばかりが膨らんで、眠れなくなる。
「……ねえ、こはるちゃん」
「う、ん」
「……ひなたのことが気になって」
雪くんは少しだけ言葉を探すように視線を落とした。
「……眠れていたら問題ないんだけど、様子を見に行っても大丈夫かな?」
私も同じ気持ちだった。
ひなたくんが眠れていたら、それでいい。
そう思うのに、どうしても最悪の事態ばかりが脳裏をよぎり、胸が締めつけられる。
人のプライベートな空間に入るなんて、本当はよくない。分かっている。
それでも、確かめずにはいられなかった。
「雪くん。……一緒に様子を見に行かない?」
雪くんはこくりと頷いた。
けれど、すぐに視線を落とす。
「……ノックしたら、起きちゃうよね?」
「軽くノックだけしてみよう」
雪くんと顔を見合わせる。
二人同時にこくりと頷いた。
「そうしよう」
声が重なる。
ソファから立ち上がると、足音を忍ばせながら廊下を歩いた。
ひなたくんの部屋の前で、思わず足が止まる。
最悪の事態が頭をよぎり、胸がざわついた。
私は軽く二度ドアをノックする。
返事はない。
恐る恐るドアノブへ手を伸ばえた。
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