年の差を超える恋歌
飲み会は夜も更けるまで続いた。
麻倉未稀さん、石井明美さん、庄野真代さんと、笑い合い、語り合い、時には歌の話で盛り上がり、心ゆくまで楽しんだ。三人が駅に着くと、「また近いうちに、ゆっくり飲みに行きましょう」と約束を交わし、それぞれの帰路へと別れていった。
ホームから電車を降りた二人は、そのまま駐車場へと歩いていく。車に乗り込んだ瞬間、愛斗は知可子をそっと引き寄せ、柔らかく唇を重ねた。コンビニに寄って酎ハイを買い、家に帰ってからも二人で飲み交わし、寄り添い、再び唇を重ねて、そのまま安らかに眠りについた。
朝日が差し込む頃、二人は目を覚ました。デートの準備を整え、待ち合わせ場所へと向かうと、すでに明子と美登里がそこにいた。
「お待たせしました」
「待ってないよ、さあ行こう」
愛斗の運転する車は、水族館へと向かって走り出す。
入場料を払って館内に足を踏み入れると、愛斗は迷わず知可子の手を握りしめた。
「まあまあ、ラブラブだねえ」と明子がからかうと、知可子は少し頬を染めて「ありがとうございます」と答え、四人はゆっくりと水槽を巡り始めた。
一時間ほど海の生き物たちを眺めて楽しんだあと、イルカショーを見て大きな拍手を送った。ショーを見終わって歩いていると、ふと、隣にいた妊婦さんが何かを落とした。
愛斗がしゃがんで拾い上げると、それはマタニティマークのキーホルダーだった。妊婦さんが熱心に水槽の魚を見ているので、そっと肩を叩いた。
「すみません、マタニティマークを落としましたよ」
「わあ、ありがとうございます!」
「これを持っていれば、電車やバスでも席を譲ってくれる人がきっといますから、どうぞなくさないように大事にしてくださいね」
「はい、本当にありがとうございます!」
妊婦さんは笑顔でお礼を言い、親子連れの人たちとも和やかに言葉を交わしてから、その場を去っていった。
「愛斗くん、あなたが考案したマタニティマークを使ってくれてる人がいて、本当によかったね」
「うん……」
隣から明子と美登里が不思議そうな声を上げた。
「え、愛斗さんが考案したって、どういうこと?」
「そうよ、詳しく聞かせて」
愛斗は少し思い出すように目を細め、ゆっくりと話し始めた。
「昔、選挙事務所で働いていたことがあってね。ある時バスに乗ったら、妊婦さんが立っているのに誰も席を譲ろうとしなくて。注意したら逆ギレされて、結局最後まで席を譲ってもらえなかったんだ。それがすごく悲しくて、どうしたら妊婦さんがもっと安心して外出できるだろうって考えて。それで有村治子議員に相談したら、親身になって話を聞いてくださって、一緒にこのマタニティマークを作ることになったんだ」
「そうだったんだ! すごいわ、議員さんと愛斗さんで考えたものなのね」
「実は私も、有村議員と新幹線でお会いして、その時初めて聞いたんですよ」と知可子が付け加えた。
「一番嬉しいのはね……いつか知可子に子供ができたら、二人で一緒に新しいマタニティマークを取りに行こうって、そう約束したんだ」
「絶対、その約束果たせるよ」
「はい、楽しみにしてる」
愛斗は知可子を覗き込み、少し意地悪く笑って囁いた。
「それには、もっともっと愛し合わないとね。俺たちだってもう始めてるだろ? 一昨日だって、知可子の甘えた喘ぎ声が可愛くてたまらなかったんだから」
「もう、やめてよ、人前でそんなこと言わないで!」
知可子は真っ赤になって愛斗の腕を軽く叩き、周りの笑い声に包まれながら、四人は再びゆっくりと館内を歩き始めた。
麻倉未稀さん、石井明美さん、庄野真代さんと、笑い合い、語り合い、時には歌の話で盛り上がり、心ゆくまで楽しんだ。三人が駅に着くと、「また近いうちに、ゆっくり飲みに行きましょう」と約束を交わし、それぞれの帰路へと別れていった。
ホームから電車を降りた二人は、そのまま駐車場へと歩いていく。車に乗り込んだ瞬間、愛斗は知可子をそっと引き寄せ、柔らかく唇を重ねた。コンビニに寄って酎ハイを買い、家に帰ってからも二人で飲み交わし、寄り添い、再び唇を重ねて、そのまま安らかに眠りについた。
朝日が差し込む頃、二人は目を覚ました。デートの準備を整え、待ち合わせ場所へと向かうと、すでに明子と美登里がそこにいた。
「お待たせしました」
「待ってないよ、さあ行こう」
愛斗の運転する車は、水族館へと向かって走り出す。
入場料を払って館内に足を踏み入れると、愛斗は迷わず知可子の手を握りしめた。
「まあまあ、ラブラブだねえ」と明子がからかうと、知可子は少し頬を染めて「ありがとうございます」と答え、四人はゆっくりと水槽を巡り始めた。
一時間ほど海の生き物たちを眺めて楽しんだあと、イルカショーを見て大きな拍手を送った。ショーを見終わって歩いていると、ふと、隣にいた妊婦さんが何かを落とした。
愛斗がしゃがんで拾い上げると、それはマタニティマークのキーホルダーだった。妊婦さんが熱心に水槽の魚を見ているので、そっと肩を叩いた。
「すみません、マタニティマークを落としましたよ」
「わあ、ありがとうございます!」
「これを持っていれば、電車やバスでも席を譲ってくれる人がきっといますから、どうぞなくさないように大事にしてくださいね」
「はい、本当にありがとうございます!」
妊婦さんは笑顔でお礼を言い、親子連れの人たちとも和やかに言葉を交わしてから、その場を去っていった。
「愛斗くん、あなたが考案したマタニティマークを使ってくれてる人がいて、本当によかったね」
「うん……」
隣から明子と美登里が不思議そうな声を上げた。
「え、愛斗さんが考案したって、どういうこと?」
「そうよ、詳しく聞かせて」
愛斗は少し思い出すように目を細め、ゆっくりと話し始めた。
「昔、選挙事務所で働いていたことがあってね。ある時バスに乗ったら、妊婦さんが立っているのに誰も席を譲ろうとしなくて。注意したら逆ギレされて、結局最後まで席を譲ってもらえなかったんだ。それがすごく悲しくて、どうしたら妊婦さんがもっと安心して外出できるだろうって考えて。それで有村治子議員に相談したら、親身になって話を聞いてくださって、一緒にこのマタニティマークを作ることになったんだ」
「そうだったんだ! すごいわ、議員さんと愛斗さんで考えたものなのね」
「実は私も、有村議員と新幹線でお会いして、その時初めて聞いたんですよ」と知可子が付け加えた。
「一番嬉しいのはね……いつか知可子に子供ができたら、二人で一緒に新しいマタニティマークを取りに行こうって、そう約束したんだ」
「絶対、その約束果たせるよ」
「はい、楽しみにしてる」
愛斗は知可子を覗き込み、少し意地悪く笑って囁いた。
「それには、もっともっと愛し合わないとね。俺たちだってもう始めてるだろ? 一昨日だって、知可子の甘えた喘ぎ声が可愛くてたまらなかったんだから」
「もう、やめてよ、人前でそんなこと言わないで!」
知可子は真っ赤になって愛斗の腕を軽く叩き、周りの笑い声に包まれながら、四人は再びゆっくりと館内を歩き始めた。