その食べ方が好きなんです
そのせいで咀嚼中の顔も美しいままだ。もぐもぐしていてもほとんど乱れは見られない。しかも口を閉じて食べているから、汚らしい咀嚼音もしない。
こんな綺麗な食べ方をする人がいたんだと衝撃だった。ただただ、食べているところを見つめてしまった。
「なんだ?」
「あ、いえ。なんでもありません」
グラスが空になっていたので、ピッチャーからビールを注いだ。
課長は目で私に礼をした。どうしてなんだろう。課長の周りだけ、なんか空気感が違うのだ。
課長の食べ方を見ていると、なんというか、目の前の居酒屋の食べ物が高級な懐石料理か何かに見えてくるから不思議だった。
指導員の先輩からは、柊課長はイケメンだが、無口でとにかくとっつきにくいと教えられていた。確かにその通りだった。
今だって何も話してこない。普通なら先輩が新人に話しかけるものだろう。
仕事中も常に表情を変えないし、何を考えているのかわからない。だが、他の課の女性陣はそう思わないんだろう。
見た目からか課長は特に人気があって、指導員の先輩は課長が告白されているのを偶然見たこともあると証言していた。
だが、社内恋愛をしているようには見えないし、プライベートは謎に満ちているらしい。
大体、彼が仕事以外のことを話すところを私も未だかつて見たことがない。そんな課長が私にはじめて口を開いた。
「紺野、君達の歓迎会なんだから僕らを気にせず、君も好きなだけ食べなさい。ほら、古賀なんてもうあっちへ逃げて行ったぞ」
「え?」
気づけばいつのまにか隣の古賀君はいなくなっていた。隣りの川の二年目の綺麗なお姉さんのところでお酌してにこにこしていた。
「紺野さんといったかな?(もぐもぐ……)」
こんな綺麗な食べ方をする人がいたんだと衝撃だった。ただただ、食べているところを見つめてしまった。
「なんだ?」
「あ、いえ。なんでもありません」
グラスが空になっていたので、ピッチャーからビールを注いだ。
課長は目で私に礼をした。どうしてなんだろう。課長の周りだけ、なんか空気感が違うのだ。
課長の食べ方を見ていると、なんというか、目の前の居酒屋の食べ物が高級な懐石料理か何かに見えてくるから不思議だった。
指導員の先輩からは、柊課長はイケメンだが、無口でとにかくとっつきにくいと教えられていた。確かにその通りだった。
今だって何も話してこない。普通なら先輩が新人に話しかけるものだろう。
仕事中も常に表情を変えないし、何を考えているのかわからない。だが、他の課の女性陣はそう思わないんだろう。
見た目からか課長は特に人気があって、指導員の先輩は課長が告白されているのを偶然見たこともあると証言していた。
だが、社内恋愛をしているようには見えないし、プライベートは謎に満ちているらしい。
大体、彼が仕事以外のことを話すところを私も未だかつて見たことがない。そんな課長が私にはじめて口を開いた。
「紺野、君達の歓迎会なんだから僕らを気にせず、君も好きなだけ食べなさい。ほら、古賀なんてもうあっちへ逃げて行ったぞ」
「え?」
気づけばいつのまにか隣の古賀君はいなくなっていた。隣りの川の二年目の綺麗なお姉さんのところでお酌してにこにこしていた。
「紺野さんといったかな?(もぐもぐ……)」