苦手な同僚の色気たっぷりな鎖骨にメロついた結果
咲良(さくら)、また画像漁ってる?」
 仕事の休憩時間、同僚の荘島優衣(そうじま ゆい)に声をかけられた。

「んふふ。鎖骨の発掘は私の義務。今日は不作だけど、昨日、いい鎖骨があったよ」
 私はスマホを優衣に見せる。中では水着の男性俳優がにこっとさわやかに笑っている。

「だから昨日、ナイトプールに誘ってきたのか」
「合法的に鎖骨を堪能できるじゃんね。ああ、楽しみ。圧に弱くてすぐ折れるっていう弱弱しさがいいのかな。浮き出てる特別感がいいのかな」

「さあ、どうだろ」
「鎖骨は腕、肩、胸、背骨にまで関連していて、スムーズに動きやすくしているんだって。首の周辺にある血管や神経を守る役割もあって、華奢なのに責任重大な骨なんだよ。このギャップがいいのかな」

「相変わらずの鎖骨魔人」
 優衣があきれて言う。
 やばい、変態だと思われちゃう。って、もう遅いか。

「魅力の探求に終わりはないよ。今日は絶対に定時で上がってホテルニューオータチね。ナイトプールの口コミもよかったし」
 私がスマホを抱きしめたときだった。

雪町(ゆきまち)ってナイトプールとか行くんだ?」
 話しかけられ、私は慌てた。

 振り向いた先にいたのは、同僚の営業、イケメンの国広くん。
 やばいやばいやばい。この人、いっつも私をからかってくる。事務に来ていちいち私を指名して些細な用事を頼むなんて嫌がらせされるし。鎖骨フェチなんて知られたら、末代までなにか言われる。

「いいじゃない、別に」
 私は怒ったようにそっぽを向く。
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