イケメン医師は、私を骨から溺愛する
「ぜひモデルになってください!」
 がばっと頭を下げられて、私は戸惑う。

 病院の会議室に呼ばれたかと思えば、この白衣の男性――間違いなく医者である彼に、こう頼まれた。
 (よわい)二十九にしてモデルを頼まれるのは初めてだ。

 はてな、と私は今日一日の行動を思い返す。

 健康診断を受けて帰ろうとしたところで「渚梢絵(なぎさ こずえ)さん、お話がありますので会議室へお願いします」と係りの人に言われてすごく驚いたし、なにがあったのかとおびえた。

 もしかして不治の病が発覚? だとしても早すぎておかしい。

 疑問と恐怖が入り混じったまま会議室で待つことしばし。
 入ってきたのは美形の若い医者だった。私よりは少し年上のように見える。

忽那純尭(こつな すみたか)です」

 名乗った彼は、私の名前と生年月日で本人確認をした。直後にがばっと頭を下げて「ぜひモデルになってください!」と叫んだのだ。
 自慢じゃないけど、私の容姿は十人並み、スタイルだって普通……というか、認めたくないけど太ましい。センスもないし地味だし、とうていモデルなんて無理だ。

「意味がわからないんですけど」
 私が言うと、彼は頭を上げた。

「あなたの骨格がすばらしくて、私は感動しました。ぜひ次の論文に写真を使わせていただきたいのです」
「嫌です」
「即答!?」
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