イケメン医師は、私を骨から溺愛する
「そんな目立つことしたくないですもん。さらしものになりたくないっていうか」
「お名前も、外見のお写真も使いません。あくまで中身だけです」

「レントゲンの、骨の写真だけを使うってことですか?」
「はい、個人情報は秘匿した状態で使います。医学の発展にご協力ください」

 思えば私はろくに献血もしてない。ちょっとは貢献したいな。

「じゃあ、いいですよ」
「本当ですか!? ありがとうございます!」
 彼は深々と一礼する。

「骨ということは、整形外科ですか?」
「私は放射線科医なんです」

「レントゲン撮る人ですか?」
「それは放射線技師です。放射線科医はレントゲンから病気があるかどうかを診断するんです」

 そんな専門の人がいるなんて、知らなかった。

「あなたの骨はすごく素敵なんですよ。なめらかなラインもさることながら、太さが絶妙、骨密度を調べたらきっと理想的な数値だろうなあ、なんてうっとりしてしまいして」

 彼の顔には恍惚が浮かんでいて、私は不安になった。判断を早まったかもしれない。

「では、正式に書類を作成しまして、後日また連絡させていただきます。お時間をいただいてありがとうございます」

 そう言って渡されたのは一枚のコーヒーチケットだった。
 あんまり病院に来ないんだけどな、と思いながら受け取る。

 彼に見送られて会議室を出た私は、カフェへ直行した。
 めんどくさいから今日のうちにチケットを使ってしまおう。

 最近は病院内のカフェもおしゃれだよね、とアイスコーヒーを買って席に着く。
 ストローを刺して、私はスマホを取り出した。

 骨のモデルなんてあるのかな、なんて思って検索をかけてみると、骨格標本の通販が大量にひっかかってきて苦笑した。小さいものなら二千円から買えるらしい。

 ついでに表示された博物館の企画展に、へえ、と思ったときだった。
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