一途な溺愛は、PM12:10に始まるらしい。
会社に着けば、いつも通り仕事をする。

そして、昼休みになれば会社から歩いて数分の公園を目指す。

今日も公園に着くのは12時10分。

今まで公園に足を踏み入れる時に緊張したことはなかった。

それでも、今日の私は公園に近づくにつれて心臓が速くなっている気がする。

速なる心臓のままそっと公園に入り、東屋の方向を見る。

今井さんはまだ来ていなかったので、私はベンチに腰掛けた。

今井さんは五分もしないうちにすぐに来た。

「坂野さん……! ごめん、待たせちゃった?」

「いえ、私も先ほど来たところなので」

「来てくれてありがとう。今日は俺のわがままに付き合ってもらってごめんね」

わがままじゃないですよとフォローを入れられたら良かったが、咄嗟にフォロー出来ないくらいには確かに今井さんは強引である。

しかし、何故かそこまで嫌な気持ちにならないのは、今井さんの人懐っこさもあるのかもしれない。
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