一途な溺愛は、PM12:10に始まるらしい。
「ごめんなさい、今井さん! これは本当に不味いです!」
「いや、そこまででは……」
「素直に言って良いですよ!? これが美味しかったら味覚の方が心配です!」
私の勢いに押されて、今井さんが何故か吹き出すように笑った。
「あははっ、そこまで言わなくても……ふはっ……おもしろ」
今井さんがお腹を押さえて笑いながら、「でも、焼くのは上手だよね」とフォローを入れてくれる。
正直に言っても良いと言っているのに、「そこまで言わなくて良い」と言ってくれてり、フォローをしてくれたり、今井さんは優しい人なのだろう。
人気のデザイナーなのに、謙虚で尊敬出来る人だなと思った……というか、思っていた。
次の瞬間までは。
「坂野さん的に不味いってことは、今日のは失敗したんだよね?」
「え、はい……」
「じゃあ、いつもはもっと美味しいんだ?」
今井さんの質問の意味が分からないまま、咄嗟にうなずく。
「じゃあ、明日。最高傑作の卵焼きを作ってきて」
「え?」
「卵焼きに自信あるって顔、さっきしてたでしょ? このまま終わるのは坂野さん的にも、俺的にも、良くないと思うんだよね」
そう、この人は人気デザイナー。
そして、前回のウチの会社のコラボの時に「鬼デザイナー」と呼ばれた人。
ニコニコと穏やかに、求めるものは誰よりも厳しかった。
他者に厳しい以上に自分に厳しい人だったが、それでも陰では「鬼すぎる……」と噂された人。
それに、今井さんと一番関わって仕事をしたウチの社員はこうも言っていた。
『あの人、笑顔で超強引なんだよね』
その時は言葉の意味が分からず、「無理やり食事にでも誘われたの?」と聞き返した。
その時に「そういうことじゃないんだけど、強引としか言い表せないというか……」と苦笑いした社員の顔を思い出す。
「いや、そこまででは……」
「素直に言って良いですよ!? これが美味しかったら味覚の方が心配です!」
私の勢いに押されて、今井さんが何故か吹き出すように笑った。
「あははっ、そこまで言わなくても……ふはっ……おもしろ」
今井さんがお腹を押さえて笑いながら、「でも、焼くのは上手だよね」とフォローを入れてくれる。
正直に言っても良いと言っているのに、「そこまで言わなくて良い」と言ってくれてり、フォローをしてくれたり、今井さんは優しい人なのだろう。
人気のデザイナーなのに、謙虚で尊敬出来る人だなと思った……というか、思っていた。
次の瞬間までは。
「坂野さん的に不味いってことは、今日のは失敗したんだよね?」
「え、はい……」
「じゃあ、いつもはもっと美味しいんだ?」
今井さんの質問の意味が分からないまま、咄嗟にうなずく。
「じゃあ、明日。最高傑作の卵焼きを作ってきて」
「え?」
「卵焼きに自信あるって顔、さっきしてたでしょ? このまま終わるのは坂野さん的にも、俺的にも、良くないと思うんだよね」
そう、この人は人気デザイナー。
そして、前回のウチの会社のコラボの時に「鬼デザイナー」と呼ばれた人。
ニコニコと穏やかに、求めるものは誰よりも厳しかった。
他者に厳しい以上に自分に厳しい人だったが、それでも陰では「鬼すぎる……」と噂された人。
それに、今井さんと一番関わって仕事をしたウチの社員はこうも言っていた。
『あの人、笑顔で超強引なんだよね』
その時は言葉の意味が分からず、「無理やり食事にでも誘われたの?」と聞き返した。
その時に「そういうことじゃないんだけど、強引としか言い表せないというか……」と苦笑いした社員の顔を思い出す。