悪女の代行を演じたら氷の御曹司に永久就職⁉〜お見合い破談に大失敗!私は彼に丸め込まれ溺愛されてます~
「えっと、次はっと」

時計は17時20分…あと40分!

そこからの私はオリンピック選手並み(気持ちは)に加速する。
従業員用トイレに駆け込み健太が持ってきた衣装一式の入った袋に手を突っ込んだ。
時間の配分を考えてあらかじめ個室に隠しておいたから衣装は難なくクリア!

「また、こんな…?」

制服を脱ぎ捨てながらマフィアの愛人風のロングドレスを着る。
普通の人が着たら膝下かもしれないけど低身長の私にはロングドレスで走りにくそう。

それより…

「エロ…過ぎる」

前から見ると上品なハイネックなんだけど…振り返ると腰のあたりまで背中が完全に露出しているデザインで背中がスース―して上着を探した。

「上着は、あぁ、ないのか…じゃあ」

グダグダ言うのも時間の無駄だから職場用のカーディガンを羽織り8㎝ヒールは手に持ってトイレを飛び出した。

「来た来た!ここです」

17時半ホテルの裏口から飛び出し滑り込んできたタクシーの後部座席に転がり込む。
配車アプリで前もって予約しておいたからこれもクリア!

「アークヒルズまで急ぎでお願いします!出来るだけ急ぎで」

運転手さんに告げて金髪のウイッグを装着し到着までの時間を厚濃いメイクに費やしていく。
車内はメイク室と化してガタガタ揺れるけど手鏡を見ながらアイライナーを跳ね上げ真っ赤な口紅をダイレクトに唇に塗り込む。

「はみ出したけど、ま、良いか」

んぱッと唇を合わせて馴染ませ時計を見ると50分過ぎだけど車窓を流れる景色は目的地周辺ではある。

「走れば間に合うもん。待ってなさいよ…」

17時55分。
ホテルのロビーに走り込みエレベーターのボタン連打して息は絶え絶えで心臓が口から出そうだけどヒールを履きながら羽織ってたカーディガンと靴を袋に押し込み到着したエレベーターに滑りこむ。
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