ムカつく後輩は私のことが好きらしい
私の名前は白崎真緒。女子高校生だ。


ベージュのふわふわとした髪に、口元からちらりと覗く八重歯。

そして、ちょっとだけ…ほんの少しだけ低い身長。

いや、べつに気にしてるわけではない。

ただ、少し気になってるだけで…。

その少ーしコンプレックスな身長を、最近あの男にいじりたおされている。

そう、その男というのは…


「あれ?先輩。こんなところで会うなんて奇遇ですねぇ。それにしても、先輩は相変わらず小さい。」

後ろから、聞き慣れたムカつく声が聞こえてきた。

何を隠そう、神谷湊である。


奇遇も何も、ここは2年の教室がある階だぞ?

1年のこいつがこんなとこふらふら歩くわけがない。

つまり、ただ真緒をからかうためだけにここに来ているのだ、この男は。


「お前…小さい小さいって何回言っても飽きねぇな。わざわざここまで来やがって、暇人がよ。」


「先輩が小さいのはいつものことですからね。」

真緒のこめかみがひくついた。いつものことながらこいつは人の地雷をあえて踏んでくる。

「というか、べつに先輩に会いに来たわけではありませんよ。たまたま通りかかっただけです。勘違いしちゃって、自意識過剰ですねぇ。」

本当にムカつく。

やっぱり、私はこいつが嫌いだ。
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