御曹司様はもふもふ好きのペットシッターに運命を感じました
家の中に案内されると玄関ホールの広さに圧倒された。天井は高くシャンデリアが綺麗で正面に見える階段までおしゃれで別世界にいるみたいだった。
しばらくソファで座って待っているとこの家の奥様が階段を下りてきた。母と同じくらいの年齢と思われるが、身に纏う空気が気品に溢れている。
「お待たせしました。杏奈さん。時枝さんから貴女のことをよく聞いていたから会うのが初めてとは思えないわ」
「はじめまして藤井杏奈と申します。この度はお仕事を紹介してくださりありがとうございます」
頭を下げると「そんなに畏まらなくていいのよ」と微笑まれた。
「前の方が田舎に帰られるとかで辞められてしまって困ってたから、杏奈さんに引き受けてもらえて本当に助かったわ。早速だけど、うちのワンちゃんはこちらよ」
階段の脇を抜けて奥のスペースに行くと、ラグの上に真っ白でもふもふした大きな犬が寝ていた。犬専用のお部屋があるなんて普通の家では考えられない。
「アレクセイ」と奥様が声をかけると、片方の耳がピクリと動いた。