銀狼騎士は転生悪役令嬢と番になる運命でした

銀狼の隠れ家、過保護の極み

【エリーゼ視点】
「エリーゼ、そこは歩くな! 床が冷える、俺が抱く」
「エリーゼ、薬草の採取なら俺が代わりに行く。お前はただ、そこに座って俺の毛並みでも撫でていろ」
私が妊娠していると判明して以来、ガルハラの集落は文字通り「お祭り騒ぎ」だった。
レオンはもちろんのこと、あの強面だったガイルまでが、毎日毎日、山で採れた最高級の蜂蜜や栄養満点の獣肉を、私の家の前に山積みにしていくのだ。
「そんなに食べきれないわよ……」
私が苦笑いしても、「いいや、俺の番と、未来の銀狼のための栄養だ!」と言って聞かない。獣人たちにとって、番に子供ができることは、一族の未来そのものなのだ。
レオンに至っては、もはや私の半径三歩以内から離れようとしない。私の少しの動きにも鋭く反応し、まるでガラス細工のように大切に、大切に扱ってくれる。
幸せ。この言葉以外に、今の私の日常を表現する方法が見つからない。
前世の病室で、冷たい天井を見つめていた孤独な私が、今は世界で一番愛されて、新しい命を宿している。
(レオン、ありがとう。あなたと出会えて、私は本当に幸せ者よ)
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