銀狼騎士は転生悪役令嬢と番になる運命でした
【エリーゼ視点】
レオンの手が私の下腹部に置かれた瞬間、身体の奥底が温かい光に包まれるような感覚を覚えた。
私は魔力に長けている。自分の身体の中で起きている微細な変化に、気づかないはずがなかった。
(……嘘。本当に……?)
前世の私には縁のなかった、命の源。
この世界で生まれ変わり、過酷な運命を乗り越え、愛するレオンと結ばれたことで生まれた、新しい命の灯火。
「レオン、私……」
私が震える声で言葉を紡ごうとした時、レオンが私の額に自分の額をそっと押し当てた。
彼の瞳は、かつてないほど深く、優しく、そして誇らしげに揺れている。
「……エリーゼ。俺たちの子供だ。俺の番(つがい)に、俺の新しい命が宿った」
その言葉を耳にした瞬間、こみ上げてくるのは吐き気ではなく、胸を突き抜けるほどの圧倒的な幸福感だった。
私の手から、聖属性の柔らかな黄金色の光が溢れ出し、私とレオンを包み込む。
「レオン……っ、私、お母さんになるのね……」
「ああ。これからは、二人じゃなく四人だ」
レオンは私の腹部を慈しむように、壊れ物を扱うような手つきで何度も撫でた。
「そう、四人……ん?四人?……えっ、もしかして双子なの!?」
目をめいっぱい開いて驚く私に、レオンは耳をぴこぴこ動かしながら、大笑いした。
昨日までの「番」としての愛が、これからは「家族」としての絆へと進化していく。
広がるのは、平和な未来と、新しい命の鼓動。
私たちの物語は、静かな夜明けと共に、また新しい章を刻み始めたのだった。
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