恋愛偏差値0.01。

15.変わり始めた私

気付けば、カップとグラスを持った凪くんがテーブルの横に立っていた。
「……ただいまぁ」
さっきまでの明るい声とは違う。
どこか不安そうな響きだった。
飲み物をそっとテーブルへ置くと、凪くんは私を見つめる。
「……もしかして」
少しだけ目を伏せる。
「僕のせいで、美月を傷付けちゃったかな?」
その声には、いつもの甘えた調子はなかった。ただ、自分を責めるような後悔だけが滲んでいた。
私は慌てて首を横に振る。
「違います!」
凪くんは少しだけ安心したように笑った。
でも、その笑顔の奥には、まだ消えない罪悪感が残っている。
「……美月」
「凪くんのせいじゃないですよ」
それでも、凪くんは申し訳なさそうに目を伏せる。
「……ごめんなさい」
「本当に気にしないでください」
狂犬さんはコーヒーを一口飲むと、静かに口を開いた。
「起きたことを気にしても仕方ない。凪、これからは人前で眼鏡ちゃんにくっ付くのはやめな」
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