恋愛偏差値0.01。
「狂犬さん、ありがとうございます!」
「ずっと気になってたんだけどさ」
狂犬さんは苦笑いを浮かべる。
「『狂犬さん』って呼ぶの、もうやめて。俺、迅だから」
一瞬、目を丸くした。

それはまるで、「名前で呼んでいいよ」と言われたみたいで、胸が少しだけ温かくなる。
「……迅さんですね」
そう呼ぶと、迅さんは照れくさそうに笑った。
「ブロックしたから、スッキリ」
迅さんは、本当に晴れやかな表情を浮かべていた。

よほど嫌な思いをしていたんだろう。
「美月ちゃん」
あっ――。
私のことも、名前で呼んでくれた。
それだけで、少し照れくさくなってしまう。
「もし俺がブロックしたせいで、美月ちゃんに何かしてきたら、ごめん」
「全然問題ないです!」
私は笑って首を横に振る。

「むしろ、気にしてくれてありがとうございます」
「美月に何かあったら、僕が守るし♡」
そう言って、凪くんが私の腕にぎゅっと絡みつく。

「……まあ、凪がいたら大丈夫か」
迅さんは苦笑いを浮かべながら、ぽつりと呟いた。
その一言には、凪くんへの信頼が滲んでいた。
「任せてぇ〜♡」
胸を張る凪くんを見て、思わず笑みがこぼれる。こんな二人と出会えて、本当に良かった。
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