菜の花の君
「凛。」

「えっ?」

ずかずかとこちらに向かってきたアラタくん。

ど、どうしたんだろう?

変なことでもあったかなぁ?

「大丈夫?」

「えっ…、う、うん?」

だ、大丈夫って…なにがだろう…わたし、なにか変なこと言ったかな。

「…ねえ、なんか川崎さんとアラタくん、話してるよ」

「ええっ、なんでだろうね」
 
クラスの女の子たちの声にびくっとした。

な、なんか不満げな女の子たちの声が聞こえる…。

「だ、大丈夫だよっ。心配してくれてありがと!」

にこっと微笑んで、お礼をいう。

「じゃあ…斎藤くんの席は…」

先生がこちらを見た。

ぎくっ。

わ、わたしの席、隣いない…。

「川崎さんの隣にしましょう!」

ひええ…やっぱりそうなるよね…!

「凛。よろしく」

「う、うんっ…よろしくね…」

お、女の子の目が、きついです…!

「ごめん、教科書忘れたから、貸してくれない」

「あ、うん、いいよっ…」

あ、アラタくんって…自分の美貌を分かってないのかな?

だったら、逆にすごい、あはは…。

わたしはアラタくんに苦笑いを交わした。
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