好きになったのは大嫌いな先生
「午前にした採血結果はもう出てるんだけどね、やっぱり白血病再発してると思うよ。」
「……うん」
なんとなく、いや正直自分の中では分かってはいた。再発という言葉を聞いて、ショックというよりやっぱりなっていう感じ。
愁くんは心配そうな顔で見てくるけど、私は意外と涙とかはでなかった。
「骨髄検査の方の結果が1週間後くらいにでるから、その結果でどれくらいの進行度なのか今の状態が詳しくわかるから、そこから治療方針を決めたいならと思ってる。」
「うん。」
「だから、その結果が出るまでは退院していいよ。ただし、絶対に無理はしないこと。熱が続いてる間は仕事もだめ。そして1週間後の診察には絶対に来ること。」
「…わかった」
「ショックじゃない?」
「正直何となくわかってたから。…しょうがない。」
「美奈強くなったな。辛いことあったら何でも言っていいんだからね。」
「ありがとう。…ちょっと気持ちの整理したいから1人にさせて。」
「わかった。何かあったらナースコールな。」
「うん。」
私の頭をぽんぽんと撫でて、心配そうな顔で愁くんは出て行った。
1人になったとたんシーンと感じる病室。
ぼーっと天井を見つめながら色々と考えてしまう。
冷静になると、再発ということはこれからまた治療が待ってるんだということに気づく。昔の辛い治療を思い出してやっぱり悲しくなってきた。
そんなことを考えているとあっという間にあたりは暗くなってきて、夜ご飯が運ばれてくる時間。
夜勤の看護師さんがご飯を持ってきてくれたけど、食欲なんて全然わかない。何も手をつけずにぼーっとしていたら、また愁くんが入ってきた。
「どう?心の整理ついた?」
「…うん、まぁ。」
「嘘バレバレ。不安だって顔に書いてあるよ。」
「…再発してたら、また辛い治療が始まるんだよなぁって、ちょっと考えちゃっただけ。」
「まぁ、まだ骨髄検査の結果も出てないし。今は考えないようにして、それよりもご飯!美奈今日ご飯何にも食べてないだろ。」
「えっ?あっ…言われてみればそうかも。」
よく考えたら朝も昼も食べてない。
「血液検査の結果、貧血も栄養状態もかなり悪かったぞ。体力つける意味でもちゃんと食べてもらわないと困る。」
「でも、食欲もなくて…」
「食べれないっていうなら点滴しないといけないから、明日の退院もなし。食べるか点滴入院か、どっちがいい?」
「食べる!!!」
点滴とかありえない!!!焦ってご飯を無理やり頬張る。全然美味しいと思えなくて、愁くんの監視の元三分の一くらい食べたけど、それが限界。
「もう食べれない…です。」
「まぁ許してやる。退院した後もちゃんと食べるんだぞ。」
「はい。」
そんなこんなで検査入院は無事に終わって、次の日に退院することができた。