王女エメリーネに悪女は似合わない~軍人公爵の盲愛に囚われて
21.
「あなた、何をおっしゃっているの?」
エメリーネは赤い瞳をゆっくり瞬かせる。
「何を? 俺と君の輝かしい未来について話をしただけだが?」
ニヤリといたずらめいた笑みを浮かべるオディロンとは対象的に、エメリーネはむっと唇を引き締める。こんなとき、オディロンのオーラが見えたらいいのにと思うのに、何度目をこらしても彼のオーラは見えないのだ。
「その輝かしい未来のために、わたくしとあなたが結婚する理由がわかりません。お互い、友好国の王族や貴族が相手でもよろしいのではなくて?」
「なるほど……エメリーネ王女は、よほど俺と結婚したくないらしい」
さほどがっかりした様子もなく、このやりとりすら楽しんでいるように見えるオディロンは、ついてこいとでも言いたげに歩き出した。しっかりと手をつながれているエメリーネは、もちろん彼の半歩後ろをついていく。
「立ち話ですませるような内容じゃないからな。東屋にでも向かうか?」
この庭は、幼き時代の思い出であふれている。これから足を運ぶ東屋だって、お気に入りのお菓子を持ち寄って食べた場所なのだ。
白い円筒屋根の東屋も、なんら昔と変わっていない。
エメリーネは赤い瞳をゆっくり瞬かせる。
「何を? 俺と君の輝かしい未来について話をしただけだが?」
ニヤリといたずらめいた笑みを浮かべるオディロンとは対象的に、エメリーネはむっと唇を引き締める。こんなとき、オディロンのオーラが見えたらいいのにと思うのに、何度目をこらしても彼のオーラは見えないのだ。
「その輝かしい未来のために、わたくしとあなたが結婚する理由がわかりません。お互い、友好国の王族や貴族が相手でもよろしいのではなくて?」
「なるほど……エメリーネ王女は、よほど俺と結婚したくないらしい」
さほどがっかりした様子もなく、このやりとりすら楽しんでいるように見えるオディロンは、ついてこいとでも言いたげに歩き出した。しっかりと手をつながれているエメリーネは、もちろん彼の半歩後ろをついていく。
「立ち話ですませるような内容じゃないからな。東屋にでも向かうか?」
この庭は、幼き時代の思い出であふれている。これから足を運ぶ東屋だって、お気に入りのお菓子を持ち寄って食べた場所なのだ。
白い円筒屋根の東屋も、なんら昔と変わっていない。