王女エメリーネに悪女は似合わない~軍人公爵の盲愛に囚われて
「懐かしいわ……」
まるであのときの記憶を探るかのように、エメリーネはテーブルの上にそっと指を這わす。
「きちんと、手入れがされているのね。今でも使っていらっしゃるの?」
「いや?」
オディロンは椅子の上にさっと手巾を広げると、そこにエメリーネに座るように言う。
「母が亡くなってからは、一度もここに来ていないな」
それでもこうやっていつでも使えるようにしているのだから、彼がそのように使用人に命じているのだろう。
「ここに来るなら、お茶やお菓子を用意すればよかったか?」
「では、次に会うときはそうしてくださいな」
隣に座ったオディロンは、テーブルの上に肘をつき手の甲の上に顎を乗せると、エメリーネの顔を真っすぐに見つめてくる。エメリーネもまた、彼の赤褐色の瞳に視線が引き寄せられた。
「……どうかしました?」
「いや……それよりも、君の結婚相手の話だったな」
まるであのときの記憶を探るかのように、エメリーネはテーブルの上にそっと指を這わす。
「きちんと、手入れがされているのね。今でも使っていらっしゃるの?」
「いや?」
オディロンは椅子の上にさっと手巾を広げると、そこにエメリーネに座るように言う。
「母が亡くなってからは、一度もここに来ていないな」
それでもこうやっていつでも使えるようにしているのだから、彼がそのように使用人に命じているのだろう。
「ここに来るなら、お茶やお菓子を用意すればよかったか?」
「では、次に会うときはそうしてくださいな」
隣に座ったオディロンは、テーブルの上に肘をつき手の甲の上に顎を乗せると、エメリーネの顔を真っすぐに見つめてくる。エメリーネもまた、彼の赤褐色の瞳に視線が引き寄せられた。
「……どうかしました?」
「いや……それよりも、君の結婚相手の話だったな」