王女エメリーネに悪女は似合わない~軍人公爵の盲愛に囚われて
 今の議会は、アルマスの息のかかった貴族たちが仕切っている。下手すれば、反アルマス派の人間に、議会に出席しないよう圧力をかける恐れだってある。
「それでもわたくしは、オディロン・ベルジュ公爵を、夫に望みます」
「わかりました。ささやかながら、我々も同士の幸せを願っております」
 それは、ベルトルトが二人の縁を認めたということだ。ただし聖職者である彼は、議会での発言権は認められているが、議決権はない。それでも味方が増えたというのは心強いものである。
 エメリーネの胸の奥に小さな火が宿り、あたたかさを感じた。
「……議会は、父と母、現国王の婚姻は認めたのですよね?」
 思い出したように、エメリーネはぽつりと呟く。
「両親は、王族には珍しく、恋愛結婚なのです」
「えぇ……存じ上げております。国王が隣国ジオグ国で見初めた女性……」
「それこそ、議会から反対されるような気がするのですが」
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