王女エメリーネに悪女は似合わない~軍人公爵の盲愛に囚われて
「エメリーネ様のご希望通り、ヨハン・オウネルを推薦いたします。彼は謙虚な男で、もったいない話だと言うのですが、彼の今までの活躍ぶりを鑑みましても、エメリーネ様の補佐官にふさわしいと説得したところです」
アルマスの後ろに控えていたヨハンがおずおずと前に進み出て、「ヨハン・オウネルです」と頭を下げる。
彼はチラリと、部屋の隅に控えているシーラに視線を向けたが、シーラはそれに気づかぬ振りをして、じっと部屋の入り口を見張っていた。
「シーラの婚約者だと聞いているわ。シーラともども、よろしくね、ヨハン」
エメリーネの言葉に「恐縮でございます」とヨハンは身をちぢこめる。そんな彼のオーラは紫だった。この色も何度か見たことはあるが、どういった感情であるかはわからない。ただ、清んだ紫だから、完全にアルマス派の人間ではないと判断していいだろう。
「それから、もう一人。イングリス伯爵子息のコンストです」
その名前を耳にしたときは、エメリーネも心の中で悪態をつきたくなったが、表面はにこやかに微笑んだ。
コンストといえば、完全にアルマス派の人間であり、二年後に爵位を継ぐはずである。今は二十代後半になったところか。
「コンスト・イングリスと申します。以後、お見知りおきを」
胸に手を当て、礼をするコンストだが、彼のオーラはアルマスに負けず真っ黒である。
「エメリーネ様。私のほうからこの二人を補佐官にと推薦いたしますが、いかがでしょうか?」
アルマスの後ろに控えていたヨハンがおずおずと前に進み出て、「ヨハン・オウネルです」と頭を下げる。
彼はチラリと、部屋の隅に控えているシーラに視線を向けたが、シーラはそれに気づかぬ振りをして、じっと部屋の入り口を見張っていた。
「シーラの婚約者だと聞いているわ。シーラともども、よろしくね、ヨハン」
エメリーネの言葉に「恐縮でございます」とヨハンは身をちぢこめる。そんな彼のオーラは紫だった。この色も何度か見たことはあるが、どういった感情であるかはわからない。ただ、清んだ紫だから、完全にアルマス派の人間ではないと判断していいだろう。
「それから、もう一人。イングリス伯爵子息のコンストです」
その名前を耳にしたときは、エメリーネも心の中で悪態をつきたくなったが、表面はにこやかに微笑んだ。
コンストといえば、完全にアルマス派の人間であり、二年後に爵位を継ぐはずである。今は二十代後半になったところか。
「コンスト・イングリスと申します。以後、お見知りおきを」
胸に手を当て、礼をするコンストだが、彼のオーラはアルマスに負けず真っ黒である。
「エメリーネ様。私のほうからこの二人を補佐官にと推薦いたしますが、いかがでしょうか?」