王女エメリーネに悪女は似合わない~軍人公爵の盲愛に囚われて
「そうねぇ……」
 エメリーネは顎に軽く指を宛て、コンストを値踏みするかのように視線を這わせる。
「この者は、何ができるのかしら?」
「何が、というのは?」
 エメリーネが質問するとは思ってもいなかったのだろう。アルマスはぱっと目を大きく見開いた。
「何がって、補佐官はわたくしの政務を補佐するのが役目でしょう? リナは今、わたくしの予定の調整や、手紙の整理をしてくれているわ。それにお茶会の準備も」
「お茶会ですか?」
「そうなの。アルマスにも相談しようと思っていたのだけれど、わたくしも社交デビューをしましたでしょう? だからわたくしの名でお茶会を開く必要があるとリナが……」
 チラチラと助けを求めるようにエリナへ視線を送るエメリーネに、アルマスは小さく息を吐いたが、それはどこかエリナをバカにするような仕草にも見えた。
「ナウマン子爵令嬢は、軍を首になって……いや、失礼。軍を辞めてエメリーネ様の補佐官になられたわけだ。軍とこちらでは勝手が違うことも多いでしょう。そのくらいの仕事がちょうどいいようですね」
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