王女エメリーネに悪女は似合わない~軍人公爵の盲愛に囚われて
「リナが近くにいるから大丈夫よ。ときどき、あなたと一緒にいるような感じがする」
 エメリーネが小さな窓にそっと手を添えた。
「それではまるで、エリナは俺の身代わりのようだな」
 オディロンも同じように窓に触れ、二人の手は小さな窓越しに重なった。
「エリナの言うことをよく聞け。彼女の言葉は俺の言葉だと思えばいい」
「……はい」
「君はすぐに無理をするからな。何かあれば、エリナ(身代わり)じゃなくて(本物)を頼れよ」
 その言葉が、どこかくすぐったかった。
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