王女エメリーネに悪女は似合わない~軍人公爵の盲愛に囚われて
 いきなりバリバリと仕事をこなしてあれこれ指示を出し始めたら、もちろんアルマスから不審がられてしまうからだ。
 だが父王は、そんなエメリーネの様子など何も知らないのだ。
「エメリーネも結婚を考える年になったのだな……早いものだ」
 王の目の色が変わった。前のときもそうだった。
 父はエメリーネの結婚相手だけは慎重だったのだ。
「そうですよ、お父様。結婚したら、お父様とこうやって一緒に過ごせる時間も、減ってしまうのでしょうね」
 国王は静かにお茶を飲んでいた。父として、思うところがあるのだろう。
「お父様。たまには一緒に聖堂へ行きましょう。少しでも、わたくしと一緒にいてください」
 それは娘として父へ甘えたいから。と同時に、父をアルマスの手から守りたいからでもあった。
 父王は「そうだな」と静かに答えた。
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