王女エメリーネに悪女は似合わない~軍人公爵の盲愛に囚われて
父王も珍しいお茶に興味を持ったようだ。微かに震える手でカップを持つと、ゆっくり口元へと運ぶ。エメリーネは父王がお茶を飲むのを静かに見守っていた。
「……うん。これは、特別に美味しい。エメリーネが淹れたからか?」
「本当ですか? では、このお茶。置いていきますわね? お父様が今まで飲んでいたお茶は、わたくしのほうで預かりますわ」
エメリーネは目配せして、シーラに茶葉の入った缶を手渡す。
「それで、お父様にご相談したいことがあって、今日はうかがったのです」
「あらたまって、どうしたんだ?」
エメリーネは、誕生日パーティー以降、補佐官をつけて政務を始めたと伝えたうえで、言葉を続ける。
「そろそろ、わたくしも婚約者を決めたほうがいいのではと思っておりますの」
父は何も言わず、カップを口元に近づけ、ゆっくり傾けた。
「だって、身の程知らずの殿方の視線がわずらわしいんですもの」
そう言うほどエメリーネは他の人と会っているわけではない。政務を始めたとはいえ、室内で手紙を見たり、書類を確認したりといったものだけ。そしてこれから孤児院への慰問を考えていた。
「……うん。これは、特別に美味しい。エメリーネが淹れたからか?」
「本当ですか? では、このお茶。置いていきますわね? お父様が今まで飲んでいたお茶は、わたくしのほうで預かりますわ」
エメリーネは目配せして、シーラに茶葉の入った缶を手渡す。
「それで、お父様にご相談したいことがあって、今日はうかがったのです」
「あらたまって、どうしたんだ?」
エメリーネは、誕生日パーティー以降、補佐官をつけて政務を始めたと伝えたうえで、言葉を続ける。
「そろそろ、わたくしも婚約者を決めたほうがいいのではと思っておりますの」
父は何も言わず、カップを口元に近づけ、ゆっくり傾けた。
「だって、身の程知らずの殿方の視線がわずらわしいんですもの」
そう言うほどエメリーネは他の人と会っているわけではない。政務を始めたとはいえ、室内で手紙を見たり、書類を確認したりといったものだけ。そしてこれから孤児院への慰問を考えていた。