王女エメリーネに悪女は似合わない~軍人公爵の盲愛に囚われて
「いいえ。エメリーネ王女の頼みとあれば、最優先で対応させていただきますよ」
 穏やかな口調のコンストのオーラの色は変わっていた。それはヨハンも同じである。
 今までは、たまに見せる緑や黄色のオーラもどこかくすんだ色だったが、今は鮮やかさが増している。純粋な緑とは言えないものの、それでも以前よりは明るい色になっていた。
 彼らは次第にアルマスを見限っている。いや、アルマスにつくよりも他の人間についたほうが得策だと判断したのだろう。
 もちろんその相手はオディロンなのだが。
 エメリーネとオディロンは、告解室で互いに情報のやりとりを行っている。そしてつい先日、オディロンがオウネル侯爵家とコンストに接触していたことを教えてもらった。
 ――オウネル侯爵領の生花だが、ジオグ国への輸出を始めた。
 もともとオウネル侯爵家の生花なら、ジオグ国で好まれるだろうと言ったのもオディロンである。国内では愛でるしかなかった生花だが、ジオグ国では加工して利用されているらしい。しかもジオグ国でその花を詳しく調べたところ、食用としても利用できることがわかった。だから、焼き菓子の香り付けやお茶にも利用され始め、一気に需要が跳ね上がったとも聞いている。
(だから、オウネル侯爵家もアルマスから借りたお金については、返済の目途も立ち始めた……)
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