王女エメリーネに悪女は似合わない~軍人公爵の盲愛に囚われて
「わたくしの誕生日パーティーの前に、特別な贈り物をしたいから会いたいと言われたのです」
オディロンが眉間に深くしわを刻む。
「わたくしの部屋に来られてはたまったものではないと思いまして、わたくしのほうからアルマスの執務室へと向かいました。そこで渡されたのが、アルマスの瞳の色と同じ宝石がついた首飾り……それをつけてパーティーに出席してほしいと。ここまで言えば、あなたもあの男が何を狙っているかわかるでしょう?」
エメリーネの声は冷静だったが、心にはあの瞬間の記憶が焼きついていた。
アルマスの執務室で、冷たく光る苔色の瞳に見つめられたあの感覚。まるで蛇に睨まれた蛙のように、身体が凍りついた。
彼の指が不用意に肩に触れた感触は、今も肌に残っているかのよう。一度目の人生で味わった、ベタベタとした不快な接触の記憶が胸を締めつける。
「……確かあの男は、今年で三十七歳になるのか?」
「そうですね。わたくしとちょうど二十、年が離れておりますから」
そして父王は彼より一つ上の三十八歳。そのわりにはだいぶ老け込んで見えるようになったのは、一年前に最愛の妻を失ったからだろう。
オディロンが眉間に深くしわを刻む。
「わたくしの部屋に来られてはたまったものではないと思いまして、わたくしのほうからアルマスの執務室へと向かいました。そこで渡されたのが、アルマスの瞳の色と同じ宝石がついた首飾り……それをつけてパーティーに出席してほしいと。ここまで言えば、あなたもあの男が何を狙っているかわかるでしょう?」
エメリーネの声は冷静だったが、心にはあの瞬間の記憶が焼きついていた。
アルマスの執務室で、冷たく光る苔色の瞳に見つめられたあの感覚。まるで蛇に睨まれた蛙のように、身体が凍りついた。
彼の指が不用意に肩に触れた感触は、今も肌に残っているかのよう。一度目の人生で味わった、ベタベタとした不快な接触の記憶が胸を締めつける。
「……確かあの男は、今年で三十七歳になるのか?」
「そうですね。わたくしとちょうど二十、年が離れておりますから」
そして父王は彼より一つ上の三十八歳。そのわりにはだいぶ老け込んで見えるようになったのは、一年前に最愛の妻を失ったからだろう。