王女エメリーネに悪女は似合わない~軍人公爵の盲愛に囚われて
「だからダンスも踊りたくなかったのか……」
オディロンが呆れたように吐息をつき、言葉を吐き出した。
「もちろんです。きっと彼は、わたくしとの仲を周囲に見せつけたかったに違いありません。そして、わたくしの生涯の伴侶としてふさわしいのは、自分だと誇示したかったのでしょう」
「……なるほどな。そこで合点がいく」
オディロンは長い足を組み替え、ソファに深く背を預けた。さりげない動作だというのに、一つ一つの動きが洗練されていて、つい目で追ってしまうのが腹立たしい。
「リマンドの街に蛮族が現れただろう?」
そのためオディロンは、街を守るために第一師団を率いて赴いたはず。
「いくら蛮族とはいえ、この時期に何もない街を襲う理由がわからない」
蛮族の彼らが欲するのは、食料、金、女だろう。リマンドの街は西の国境にあり、過去にも戦火に飲まれることがたびたびあった。だからそのため決して裕福とは言えない街。その街を捨て、他へ移住する者も多いと聞く。
それでも、そこに根を張る人々は土地への愛着から離れられずにいた。
オディロンが呆れたように吐息をつき、言葉を吐き出した。
「もちろんです。きっと彼は、わたくしとの仲を周囲に見せつけたかったに違いありません。そして、わたくしの生涯の伴侶としてふさわしいのは、自分だと誇示したかったのでしょう」
「……なるほどな。そこで合点がいく」
オディロンは長い足を組み替え、ソファに深く背を預けた。さりげない動作だというのに、一つ一つの動きが洗練されていて、つい目で追ってしまうのが腹立たしい。
「リマンドの街に蛮族が現れただろう?」
そのためオディロンは、街を守るために第一師団を率いて赴いたはず。
「いくら蛮族とはいえ、この時期に何もない街を襲う理由がわからない」
蛮族の彼らが欲するのは、食料、金、女だろう。リマンドの街は西の国境にあり、過去にも戦火に飲まれることがたびたびあった。だからそのため決して裕福とは言えない街。その街を捨て、他へ移住する者も多いと聞く。
それでも、そこに根を張る人々は土地への愛着から離れられずにいた。