魔女の受難と天使の試練・監視という奇妙な同居生活からはじまる愛
<グルシア天使長の問題>

「うーーーん」

天の軍団を率いる大天使長、グルシアは天界の会議室で腕組みをしてうなっていた。

「私が魔女を探知できなかったなんて、どう考えてもありえない」

サリエルも同じように腕組みして、隣の椅子に座った。


「魔力が・・・魔女特有の臭いがしない魔女が、存在するのか?」

グルシアは指先で目の前の空間にディスプレイを出すと、
面接室の様子を映し出すすと、椅子に座っている「荒木沙羅」の姿がズームアップされた。

「サリエル、君のデータベースで、この娘の姿をした魔物を検索できるか?」

「魔物にしては、美少女だね・・・黒髪に緑の瞳、抜けるような白い肌ねぇ・・・
今どきの女子高生に化ける妖(あやかし)の類か?」

グルシアは眉間にしわを寄せて、うなずきながらも画像に目を向けた。

「そのなんというか、威圧感というか、第一印象が天界でいえば女神っぽい感じなんだ。

だから魔界の者だとしても、下っ端の階級ではないと思う」

「なるほど。そうすると大魔女ランク以上か。
それならリリカが有名だけど、彼女は茶髪だしセクシー路線だから、この子とは違うね」

グルシアは数学の難問を解けなくて困っているように、口をへの字に曲げた。

「荒木沙羅という名前で来た」

サリエルも額にしわをよせ、考え込んだ。

脳内のデータベースを検索しているのか、目が宙に浮いている。

「黒髪、緑の目。アラキサラ・・アラキサラ・・・アレクサンドラ?」

サリエルは、手の平でポンと机を打った。
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