魔女の受難と天使の試練・監視という奇妙な同居生活からはじまる愛
グルシアは、ベッドに横座りをして、水を飲んでいる魔女を観察した。

汚れたローブの下は、高校の制服を着ている。

紺ブレザー、白のブラウスに臙脂のリボン。

チェックのプリーツスカートから、すらりと伸びる足に目がいく。

しかも、片方の靴下が脱げて、足先と膝小僧がピンク色だ。

陽に当たったことのないような青白い肌と、紅い唇は妖艶で魔女らしい。

切れ長な瞳と、整った鼻筋はきつい印象だが、誰が見ても美少女と言えるだろう・・

サリエルはアイドルと言ったが、大人数グループのセンターにいそうな感じだ。

細く華奢な手首には、火傷のせいで、赤く腫れた跡が残っていた。

この女子高生と夫婦という設定は・・・かなり無理があるのではないか?

そう思いながら、グルシアは魔女から目を離すことはなかった。

「ふぃーーーー」

魔女はペットボトルを膝に置くと、大きな息を吐いた。

「もう一度、聞く。本来のお前の姿は、何だ?」

グルシアは黄金の剣の刃先を突きつけ、尋問を開始した。

「ヒキガエルだろうが、たぶん」

魔女は、前髪がうるさいのか、細い指でかき上げながら答えた。

「ヒキガエルは人間のつくったおとぎ話だ。嘘をつくな」

その追及に、魔女はめんどうくさげに

「いろいろな姿になったから、本当の姿なんて、もうわからない。
それに、私に徴(しるし)つけようとすれば、火がついてアンタも死ぬぜ」

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