魔女の受難と天使の試練・監視という奇妙な同居生活からはじまる愛
「布にくるんで、何とかここまで運んで来たのですが・・・」

「それでは、拘束を解くか」

「天使長様、それは危険です!!」

下級天使たちが同時に叫んだ。

「私がいるから、何かあっても対応できる」

グルシアは手を軽く振ると、黄金の長剣が握られていた。

「へたな動きをすれば、この剣で一瞬にして首と胴体は離れるからな」

それを聞くと、下級天使は緊張を走らせ、魔女はベッドに顔を埋めた。

グルシアは長剣の先でロープに触れると、粉々になった。

「口のテープは自分で外せ」

グルシアは立ったまま、魔女を見下ろし命令をした。

魔女は蛇のように身をくねらせていたが、自由になった手で口のテープをべりっとはがした。

「酒が飲みたい・・」

第一声はかすれていたが、酒の要求だった。

<魔女らしいな>、と、思いつつグルシアは、側にいる下級天使に命令をした。

「水を持ってきてやれ。酒はダメだ」

天使は<こんなやつのために動くのはごめんだ>という、不満気な顔をしたが

「こいつは、ここでは魔力は使えない。ニンゲンと同じだ。
それに、魔力が枯渇しているはずだ」

グルシアの説明に、下級天使は、ミネラルウオーターのペットボトルを持ってきて、魔女の側に転がした。

よほど、喉が渇いていたのだろう、魔女はすぐにふたを開けると、ごくごく飲みはじめた。

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