素のまま恋
お互いにガードの仕方が下手だと、苦笑いし合ったり。
涼しいから結果オーライだなって。
イルカショーを満喫した後にお土産コーナーへと回ると……
「……今、目が合った気がする」
「は?誰と?」
「この、ペンギンくん」
棚に並べてある二十センチくらいのペンギンのぬいぐるみ。
しかも二列目の。
その子を迷いなく手にすると、貴公子は"はぁ?"という顔をした。
「つか……なんかこいつだけ目つき悪くないか」
「私も思った。その圧に引き寄せられたのかも」
「睨まれたんじゃねぇの?」
「どうしてよ」
笑う貴公子に反論してから、ペンギンくんを見ると睨んでるような目つきに見えてきた。
何でだろう……ほかの子よりも目が細く感じるからかな。
「でもなんかかわいく見えてきた」
「買うのかよ」
「んー……我慢する。せっかくだから友達にお菓子買って帰ろうかなって。家がパン屋でさ、食べること大好きなんだよね」
話しながら私はクッキーの箱を二つ手に取った。
もう一つはお母さんに。
「へぇ、それ女子?」
「もちろん」
「そうか、なら俺もなんかばあちゃんたちに買うかな」