素のまま恋
フォトブース?どうしてそんなとこに。
ましてや、私と貴公子でだなんて。
「お、ラッキー空いてんじゃん」
貴公子の顔パスで受付を過ぎ、教室へと入れば中には四つのフォトブースが用意されていた。
黒板前に大きなのがひとつと、ほかに三つ。
撮ってるところが周りから見えないよう敷居が置かれてた。
「へぇ……仕切られてるところ、いいね」
「だろ?」
「それで……私が貴公子を撮るってことで?」
「なわけ。俺が撮る」
なぜ?
「見せてやれよ。浴衣も新調したわけだし、行事なんて俺らの親はほとんど来られないんだから」
そういうこと……。
確かに、新調した浴衣姿はお母さんに見せたいかも。
「なら一枚だけ……」
スマホを袖から取り出そうとするも、貴公子はすでに私へとスマホを向けて撮り始めた。
後で……送ってもらえば、いいのか。
顔、変じゃないことを祈ろう。
✧
一日だけの文化祭。
それが無事に終わって、むかえた後夜祭。
あまり行事のない学校のせいか、ここぞとばかりの盛り上がりを見せるグラウンド。