素のまま恋
なんだか、目が合わせられない。
ズル休みしたのに、女の子といるかもって思ってたのに……目の前に貴公子がいるんだもの。
驚きと緊張で見れない。
「にしても……風邪気味ってのはマジか。全然いつもの覇気がねぇし。この前の体育、少しだったけど半袖でいたせいだろ」
バカだな、と私の頭を指でつついて、貴公子は床へと胡座をかいた。
「かも、ね」
胡座をされると目線が同じくらいになって、一瞬だけでも目が合ったら布団の中にいられなくなってくる。
体温があがって。
「あ、あのジャージ……本当は今日返そうと思ってたんだけど、ごめん」
「全然、帰り持って帰るから」
「ごめん、取りに来てもらったみたいで」
「んだよ、皆森。お前風邪引くとすげーしおらしいのな。つか、熱は?」
ぴとり。
油断した。
目をそらしていたから貴公子の手が伸びてくることに気付かなくて、額に触れられたことで体が硬直する。
「っ……!」
「んー、それにりに熱い気もするけど……って、お前赤くね?もっと熱くなったし」
こんなの無理!
話だけならまだしも、触られるなんてっ……。
布団の中にいるのが耐えられないほどに熱くなって、私は布団足ではいだ。
「おいっ、ちゃんと布団入れよ」
「熱いから無理今は……!」
「ったく……起きる元気あるなら、これでも食えよ」