素のまま恋
嫌なのに、話せないのも嫌。
行きたくないけど会いたいなんて、虫のいいことを抱いたりしてる……。
でも、会ってぎこちなくなるなら、会わないほうがいい。
風邪気味なので明日はお休みします──私はメッセージを送信した。
✧
翌朝、スマホには貴公子から、"了解"というメッセージを読み、枕横にスマホを伏せた。
お母さんにも明日は寝てたいとわがままを通して、お昼を過ぎてもいまだ私は布団の中へとくるまっている。
……私が休んだことで、貴公子は今何してるのかな。
花を生けてる?
勉強?
それとも……予定が空いたから、あの女の子といたりするの?
最後に思いついた内容に、そんな思考を振り払うように顔をすっぽり布団の中へと埋めた。
「……具合はどうだ?」
何今の……幻聴?
貴公子のこと考えてたから。
だとしたら私末期すぎる。
けれど、布団越しに触れられた頭。
降ってきた声は……まぎれもなく貴公子の声。
分かってはいるけどいるなんてありえない、そう思いながら顔だけを出せば、貴公子と目が合った。
「っなんで……」
「お前が急に休むから?仮病だったらいじめてやろうと思って」
なによ、いじめてやろうとって。
「けど、お前のお母さんに電話で聞いたら寝てたいって話で部屋から出てきてないって言うから。かわりに俺見に行きますーって言ったら喜ばれたぜ?」
「そ、そう……」