素のまま恋
約束──
『ま、気にすんな。俺が華道の成績あげさせてやるから』
『お、言ったな?だったら私もバッチリ頑張ってやろうじゃないのっ』
「覚えてる、けど……」
あの時は、こんな記者が来るほどの噂がたつなんて予想もしてなかったからで。
それに、卒業も近いんだからもうレッスンを辞めても……辞めたほうがいいでしょ?
「まだ卒業まで華道の授業は残ってんだろうが。それに俺は……迷惑なんて、微塵も思っちゃいねぇよ」
消え入りそうな声で貴公子は何かを言って教室を出ていった。
その言葉を聞き取ることは出来なかったけど、なんだか──
胸が……苦しい。
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まだ華道を習うのかはやめに辞めようかって話の最中で、今月分の教室はまだ終わっていなく、月曜に貴公子とのこともあったから浮かない足取りで向かっていれば、またあの記者がいた。
反射的に隠れようとしたけれど、聞こえた言葉に私は制止した。
「華道家として様々な評価をされる中で……色がないと言われたことについてはどう思われましたか?」
問われた貴公子の顔色が一瞬にして変わったのが見えて、またも反射的に体が動いた。
「ちょっと待てっ!!」
記者の後ろから声を張り上げて近付けば、二人とも驚いた表情になっていたけど、そんなのお構い無し。
「色がないって、貴公子のこと何も分かってないくせに言うなよ」