エリート同期は私の初恋でした
店員さんに案内され、奥の座敷へ通される。

「適当に座ってくれー。」

部長の一声で、それぞれ思い思いの席へ着いていく。

私は一ノ瀬の隣に座り、その向かいには高橋主任と佐竹が座った。

「じゃあ、始めるか。」

全員に飲み物が行き渡ったところで、部長がジョッキを手に立ち上がる。

「佐竹くん、営業部へようこそ。これから一緒に頑張っていこう!」

「ありがとうございます。」

「それじゃあ……乾杯!」

「「乾杯!」」

ジョッキやグラスがぶつかり合い、賑やかな音が店内に響く。

歓迎会が始まると、営業さんたちは次々と佐竹へ話しかけていた。

「本社では何年くらい営業やってたんだ?」

「三年です。」

「じゃあ即戦力だな!」

「期待してるぞ。」

佐竹は笑顔を絶やすことなく、一人ひとりの質問に丁寧に答えていく。

「彼女はいるの?」

突然の質問に、営業部のみんながニヤニヤしながら佐竹を見る。

「いません。」

即答だった。

「おっ、本当か?」

「本当です。」

「じゃあ営業部の独身組へようこそ!」

その一言に店内は大きな笑いに包まれる。

(ふふっ。)

仕事中は落ち着いた印象だったけど、こういう場でもちゃんと受け答えができる人なんだ。

初日なのに、営業部のみんなとも自然に打ち解けている。

やっぱり、すごい人なのかもしれない。
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