ライバル同期の緒方は魅力的な手をもっている
「俺にはこの手しかないって思ったから」
「この手?」
「諸星を落とすための手段のこと」
「え……」
驚いた麻由葉は、思わずエレベーターの中で体制を崩してしまう。
「危ない」
緒方の低い声が響き、グッと手を捕まれる。
一気に麻由葉の心臓がドキドキと早足で叩き出した。すると緒方は麻由葉の両手をぎゅっと包みこむように握りしめる。
「諸星は自分の手がコンプレックスだって言ったけど、俺はそう思わないよ」
「緒方?」
「柔らかくて芯の通った魅力的な手だ。真面目でいつも全力で、人の役に立つために努力を惜しまない、俺が惹かれた諸星の素敵な手だよ」
緒方の声はいつもよりとても優しくて、麻由葉は全身がじりじりと熱くなるのを感じた。
「それ、ちょっと、告白に聞こえる」
もう恥ずかしすぎで緒方の顔が見られない。でもそんな麻由葉の手を再び引き寄せると、緒方が顔を覗き込ませた。
「そう? じゃあ当たりだな」
まるで楽しむように緒方は笑い声を立てる。そんな仕草に麻由葉の胸の奥がキュンと跳ねた。
「ねぇ、緒方……」
麻由葉は勇気を出して顔を上げる。
「私、緒方の手、好きだよ」
そう言ったとたん、目の前に優しいほほ笑みが広がる。
「それも、告白と受け取っていいんだよね」
緒方の声に麻由葉は恥じらいながらくすりと肩を揺らす。
「もちろん。究極の愛だからね」
エレベーターの扉が開き、くすくすと肩を寄せ合ったふたりは青空の下へと飛び出した。
そしてこれからはじまる恋の物語に胸を弾ませながら、そっと愛しい指先を絡ませたのだ。
Fin.
「この手?」
「諸星を落とすための手段のこと」
「え……」
驚いた麻由葉は、思わずエレベーターの中で体制を崩してしまう。
「危ない」
緒方の低い声が響き、グッと手を捕まれる。
一気に麻由葉の心臓がドキドキと早足で叩き出した。すると緒方は麻由葉の両手をぎゅっと包みこむように握りしめる。
「諸星は自分の手がコンプレックスだって言ったけど、俺はそう思わないよ」
「緒方?」
「柔らかくて芯の通った魅力的な手だ。真面目でいつも全力で、人の役に立つために努力を惜しまない、俺が惹かれた諸星の素敵な手だよ」
緒方の声はいつもよりとても優しくて、麻由葉は全身がじりじりと熱くなるのを感じた。
「それ、ちょっと、告白に聞こえる」
もう恥ずかしすぎで緒方の顔が見られない。でもそんな麻由葉の手を再び引き寄せると、緒方が顔を覗き込ませた。
「そう? じゃあ当たりだな」
まるで楽しむように緒方は笑い声を立てる。そんな仕草に麻由葉の胸の奥がキュンと跳ねた。
「ねぇ、緒方……」
麻由葉は勇気を出して顔を上げる。
「私、緒方の手、好きだよ」
そう言ったとたん、目の前に優しいほほ笑みが広がる。
「それも、告白と受け取っていいんだよね」
緒方の声に麻由葉は恥じらいながらくすりと肩を揺らす。
「もちろん。究極の愛だからね」
エレベーターの扉が開き、くすくすと肩を寄せ合ったふたりは青空の下へと飛び出した。
そしてこれからはじまる恋の物語に胸を弾ませながら、そっと愛しい指先を絡ませたのだ。
Fin.


