真面目だけが取り柄の聖女候補ですが、今日から頑張るのをやめます!
一方、国王や王妃、王太子ラフィール様との関係は、あまり変化はない。
なぜなら、こちらに関して私は今まで通りの態度を維持しているから。
聖女候補は王太子妃候補でもあるため、王族との接点も多いけれど、積極的なコミュニケーションは控えている。
だって、どう見てもラフィール様はミルティーヌを気に入っているし、そもそも私は聖女になれないだろうし、私が出しゃばっても2人の邪魔にしかならないもんね。

今日の夕食も王族との会食なんだけど、私は静かに目の前の料理を楽しんでいた。
この時間はラフィール様とミルティーヌが親密になる時間。
そう思っていたんだけど…。

「おいしそうに食べるね。他にも用意しようか?」

もぐもぐもぐごっくん。…ん?
口にしたものを飲み込んでから、自分が声をかけられていたことに気づいた。
声をかけてきたのはラフィール様だ。

「…ありがとうございます。とてもおいしいです。でも、そろそろお腹がいっぱいですので、大丈夫です。お気遣いいただき、ありがとうございます」

話しかけられたのが久しぶりで(最初の頃は私とミルティーヌ平等に話しかけてた)、一瞬絶句しそうになったけど、うまくお返事できたよね…?

「最近聖女としての実力を日々磨いていると聞いている。ガーディオも聖女ユリーフィアも君のことを褒めていたよ」

ぽかーん。
なんと、国王までもが私に話しかけてきた。
え?何が起こってるの?

「もったいないお言葉でございます…」

驚いて声がかすれちゃった。
ここ1カ月以上、最初の挨拶以外、直接私に話しかけてくることなんてなかったから…。

「これからも精進しなさい」

国王は笑顔だ。
王妃もニコニコしている。
これって、私が聖女になる可能性がゼロではないってこと?
いやいや、あからさまに贔屓してたから、平等アピールしているだけだよねきっと。
戸惑いつつ、私は話しかけられるたびに緊張しながら失礼のないように言葉を返した。
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