真面目だけが取り柄の聖女候補ですが、今日から頑張るのをやめます!
「ミルティーヌ様、もう少し復習をしっかりされた方が良いでしょう」

講義中ガーディオからの質疑に即答できなかったミルティーヌ。
その姿を一瞥した後、ガーディオが今までとは違う低い声で指摘した。

「申し訳ありません…。もっと善処いたします」

深く頭を下げ、ミルティーヌは小さな声で謝罪した。

「そうですね。とくに昨日と今日は国家防衛に重要な分野ですから、しっかり理解されますようお願いいたします」

言葉は丁寧だけど、今までの親しみや温かさが感じられないガーディオの声。

「では、アリア様はこれについてどう思われますか?」

ミルティーヌと同じ質問をされて、私は戸惑いつつ答えた。
内容はバッチリだと思う。だって、昨日講義後にガーディオに質問しに行ったから、強く記憶に残ってるもの。

「さすがです」

ガーディオは満足げに頷いた。
褒められたのに、なんかすごくモヤモヤする。
あんなにミルティーヌに優しかったガーディオの豹変に、私は納得できなかった。

ミルティーヌへの態度が変わったのはガーディオだけじゃなかった。
大きな力ゆえに、コントロール習得がなかなかできないミルティーヌに痺れを切らしたかのように、現聖女ユリーフィア様は「心を静め、もっと集中しなさい!」と、珍しく鋭い声を上げた。
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