真面目だけが取り柄の聖女候補ですが、今日から頑張るのをやめます!【完】
「私は今も聖女になりたいとか、皇太子妃になりたいという強い思いはありません。
だけど、国のために懸命に頑張りたいと思っています」
私はもう一度まっすぐにミルティーヌを見つめた。
どうか私の気持ちが伝わりますように。
「あなた…本気で言っていますの? 皇太子妃の座も、聖女の栄誉も欲しくないと?」
「はい。私が欲しいのは、後悔のない選択です。
努力を放棄せず、自分に与えられた役目を全力で果たしたいんです。そういう自分でありたいと思っています」
沈黙が室内を支配した。
やがて、ミルティーヌはフッと力なく笑い、小さく息を吐き出した。
「…おかしな人。そんな聖女候補、聞いたこともありませんわ」
その表情には、もう一昨日のような冷たさや怒りはなかった。
「わかりましたわ。
そこまで言うなら、教えてあげます。私が目指す聖女のあり方と、この国に必要な神力の展開方法を。
アリア様、あなたの知識も貸してくださいな」
「ミルティーヌ様……!」
それからの時間は、あっという間だった。
10分の約束はとうに過ぎ、私たちは夜遅くまで教本を広げ意見を交わした。
ミルティーヌ様は強大な力を持つ分、大雑把になりがちなところを、私の緻密な理論が補う。
私の人力不足は、彼女の直感と実戦的な感覚が補う。
(あれ?なんだかすごく楽しい!)
私たちはライバルである前に、同じ重圧と戦う同志だったのだ。
正々堂々戦い、勝った方が国を守る聖女になる。
より強力な聖女になるためにも、私たちは全力でぶつかるべき。
それが私たちの出した答えだった。
けれど…。
私が聖女になれば、ラフィール様と結婚することになる。
エリオット様に恋心が芽生えてしまったのに、ラフィール様の妻になれるのかな…。
全力で努力を再開したものの、やり場のない気持ちが私の胸を締め付け続けていた。
そしてついに、100日目の「神判の日」がやってきた。
だけど、国のために懸命に頑張りたいと思っています」
私はもう一度まっすぐにミルティーヌを見つめた。
どうか私の気持ちが伝わりますように。
「あなた…本気で言っていますの? 皇太子妃の座も、聖女の栄誉も欲しくないと?」
「はい。私が欲しいのは、後悔のない選択です。
努力を放棄せず、自分に与えられた役目を全力で果たしたいんです。そういう自分でありたいと思っています」
沈黙が室内を支配した。
やがて、ミルティーヌはフッと力なく笑い、小さく息を吐き出した。
「…おかしな人。そんな聖女候補、聞いたこともありませんわ」
その表情には、もう一昨日のような冷たさや怒りはなかった。
「わかりましたわ。
そこまで言うなら、教えてあげます。私が目指す聖女のあり方と、この国に必要な神力の展開方法を。
アリア様、あなたの知識も貸してくださいな」
「ミルティーヌ様……!」
それからの時間は、あっという間だった。
10分の約束はとうに過ぎ、私たちは夜遅くまで教本を広げ意見を交わした。
ミルティーヌ様は強大な力を持つ分、大雑把になりがちなところを、私の緻密な理論が補う。
私の人力不足は、彼女の直感と実戦的な感覚が補う。
(あれ?なんだかすごく楽しい!)
私たちはライバルである前に、同じ重圧と戦う同志だったのだ。
正々堂々戦い、勝った方が国を守る聖女になる。
より強力な聖女になるためにも、私たちは全力でぶつかるべき。
それが私たちの出した答えだった。
けれど…。
私が聖女になれば、ラフィール様と結婚することになる。
エリオット様に恋心が芽生えてしまったのに、ラフィール様の妻になれるのかな…。
全力で努力を再開したものの、やり場のない気持ちが私の胸を締め付け続けていた。
そしてついに、100日目の「神判の日」がやってきた。