真面目だけが取り柄の聖女候補ですが、今日から頑張るのをやめます!【完】
「あたたたた……!」
「おっと……! 大丈夫ですか、アリア様」
廊下の角を曲がった瞬間、勢いあまって誰かに激突してしまった私を、強い腕がしっかりと受け止めてくれた。
見上げると、そこには苦笑いを浮かべた大神官補佐、エリオット様の顔があった。
「あ、すみませんエリオット様! 急ぎの書類があって、つい……!」
慌てて身を引こうとする私の手を、エリオット様は離さず、そっと包み込んでくれた。
「相変わらずお忙しそうですね。
ですが、あまり無理をなさらないでくださいね。
アリア様がもし倒れられたら、心配で私の業務にも支障が出てしまいますので」
「は、はい……!」
エリオット様の濃紺の瞳に見つめられ、顔が熱くなるのが自分でも分かる。
「そういえばアリア様。今週末、お時間はありますか?
この近くに、とても美味しいケーキを出すお店を見つけたのです。
日頃の労いも兼ねて、ご一緒していただけませんか?」
「えっ……! それって、もしかして、ふたりでお出かけ……ですか?」
「はい。お嫌でなければ」
エリオット様が最高に優しく微笑む。
くぅーーー!!!尊い!尊すぎるぅぅぅ!!!
「はい! 喜んでご一緒させていただきます!」
聖女にはなれなかった。
王太子妃にもならなかった。
完璧な努力なんてできなかったし、迷って泣いて遠回りばかりしたけれど。
自分の足で歩いて、自分の心で選んだこの場所で。
恋の進展の予感があったりして。
私は今、最高に幸せです!
「おっと……! 大丈夫ですか、アリア様」
廊下の角を曲がった瞬間、勢いあまって誰かに激突してしまった私を、強い腕がしっかりと受け止めてくれた。
見上げると、そこには苦笑いを浮かべた大神官補佐、エリオット様の顔があった。
「あ、すみませんエリオット様! 急ぎの書類があって、つい……!」
慌てて身を引こうとする私の手を、エリオット様は離さず、そっと包み込んでくれた。
「相変わらずお忙しそうですね。
ですが、あまり無理をなさらないでくださいね。
アリア様がもし倒れられたら、心配で私の業務にも支障が出てしまいますので」
「は、はい……!」
エリオット様の濃紺の瞳に見つめられ、顔が熱くなるのが自分でも分かる。
「そういえばアリア様。今週末、お時間はありますか?
この近くに、とても美味しいケーキを出すお店を見つけたのです。
日頃の労いも兼ねて、ご一緒していただけませんか?」
「えっ……! それって、もしかして、ふたりでお出かけ……ですか?」
「はい。お嫌でなければ」
エリオット様が最高に優しく微笑む。
くぅーーー!!!尊い!尊すぎるぅぅぅ!!!
「はい! 喜んでご一緒させていただきます!」
聖女にはなれなかった。
王太子妃にもならなかった。
完璧な努力なんてできなかったし、迷って泣いて遠回りばかりしたけれど。
自分の足で歩いて、自分の心で選んだこの場所で。
恋の進展の予感があったりして。
私は今、最高に幸せです!


