ひまわりが咲く場所で

夜の観覧車

次に叶えるのは、リストの4つ目。
「4. 夜の遊園地で、観覧車に乗る」。
冬の寒さが一段と厳しくなった週末。私たちは、イルミネーションで光り輝く夜の遊園地を訪れていた。
光のトンネルをくぐり、色とりどりのきらめきの中を歩く。周りは幸せそうな家族連れやカップルばかりで、るいくんと一緒にその中を歩いているだけで、まるで特別な世界に迷い込んだような気持ちになる。
「莉緒、寒くないか? 手、貸せよ」
るいくんはそう言うと、私の手をごく自然に握り、そのまま自分のコートのポケットへと入れた。ポケットの中の温もりがじんわりと伝わってきて、胸がキュンと痛むほど愛おしくなる。
「うん、るいくんと一緒だから全然寒くないよ」
見上げると、夜空に大きな大輪の華のように輝く観覧車が見えた。
「乗ろう、るいくん!」
チケットを買い、私たちはゆっくりと動き続けるゴンドラへと乗り込んだ。
扉が閉まり、ガタリと小さな音を立てて地上を離れていく。少しずつ遠ざかる地上の光と、引き換えに近づいてくる静かな夜空。
ゴンドラの中は、外の喧騒が嘘のように静まり返っていた。
るいくんは私の隣に座り、窓の外の景色を見つめている。
「すごいね……おもちゃ箱をひっくり返したみたい」
窓に額を近づけて下を見下ろすと、遊園地のイルミネーションがまるで宝石のようにキラキラと輝いていた。
「……莉緒」
不意に名前を呼ばれて振り返ると、るいくんがすぐ近くで、真剣な瞳で私を見つめていた。ゴンドラの頂上付近。私たちが今、この街で一番高い、二人だけの特等席にいる。
「俺、お前と出会えて本当によかった。病気のこととか、余命のこととか……正直、今でも怖くてたまらない日もあるけど。でも、こうしてお前と過ごす一瞬一瞬が、俺の人生で一番大切なんだ」
るいくんの言葉に、胸の奥が熱くなる。
冷たい窓ガラスに遮られた外の世界とは違って、この狭い空間には、るいくんの確かな体温と、溢れるほどの優しさが満ちていた。
「私もだよ、るいくん。私の人生にるいくんがいてくれて、本当によかった……」
ゆっくりと顔を近づけて、私たちは静かに、そっと唇を重ねた。
冷たい夜風の音が遠くで聞こえる中、二人の特別な時間が、夜空のてっぺんで優しく溶け合っていった。
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