ひまわりが咲く場所で
残された手紙
by瑠唯
莉緒が静かに息を引き取った、あの日。
白く冷たい病室の片隅で、お母さんが赤くなった目で俺の前に立ち、小さく折り畳まれた一通の手紙を差し出してきた。
「瑠唯くん、これね……莉緒が、もしもの時にって、私に預けていたの。瑠唯くんに、絶対に渡してほしいって」
受け取った便箋には、莉緒の少し丸っこい、見慣れた優しい文字で俺の名前が書かれていた。
家に帰り、自分の部屋の机に向かって、震える手で封を切る。中から出てきた便箋を開くと、莉緒の匂いが、ふわりと部屋の中に広がった。
「るいへ
この手紙を読んでいるということは、私はもう、るいくんの隣にはいられないんだね。
勝手に先にいっちゃって、ごめんね。
でも泣かないで。幸せになって欲しい。私はね、るいくんと出会えて、一緒に過ごせて、本当に、本当に幸せな一生だったよ。私は、るいくんだから、一緒にいたかったの。
るいくんの不器用な優しさも、照れた顔も、全部私の宝物です。
私ね、るいくんに出会うまで、自分の運命を恨んだこともあった。
だけど、るいくんに出会うために生まれてきたんだって、今なら胸を張って言えるよ。
だから、るいくん。私の分まで、この世界をたくさん楽しんでね。
美しいものをたくさん見て、美味しいものをたくさん食べて、私の分まで生きて。
で、幸せになって。私はそれだけを願ってる。
私の心はずっとお揃いのキーホルダーの中にあるからね。
生まれてきてくれて、私と出会ってくれて、本当にありがとう
大好きだよ
莉緒より」
「……バカ、泣くなって言われても無理だろ」
便箋の上に、大粒の涙がぽたぽたと落ちて、莉緒の文字を少しだけ滲ませていく。
だけど、胸の奥は不思議と温かかった。
莉緒は、最後まで俺に「生きる力」をくれようとしていた。
俺は手紙をぎゅっと胸に抱きしめ、莉緒がくれた愛の深さを、その温もりを、一生忘れないと誓った。
莉緒が静かに息を引き取った、あの日。
白く冷たい病室の片隅で、お母さんが赤くなった目で俺の前に立ち、小さく折り畳まれた一通の手紙を差し出してきた。
「瑠唯くん、これね……莉緒が、もしもの時にって、私に預けていたの。瑠唯くんに、絶対に渡してほしいって」
受け取った便箋には、莉緒の少し丸っこい、見慣れた優しい文字で俺の名前が書かれていた。
家に帰り、自分の部屋の机に向かって、震える手で封を切る。中から出てきた便箋を開くと、莉緒の匂いが、ふわりと部屋の中に広がった。
「るいへ
この手紙を読んでいるということは、私はもう、るいくんの隣にはいられないんだね。
勝手に先にいっちゃって、ごめんね。
でも泣かないで。幸せになって欲しい。私はね、るいくんと出会えて、一緒に過ごせて、本当に、本当に幸せな一生だったよ。私は、るいくんだから、一緒にいたかったの。
るいくんの不器用な優しさも、照れた顔も、全部私の宝物です。
私ね、るいくんに出会うまで、自分の運命を恨んだこともあった。
だけど、るいくんに出会うために生まれてきたんだって、今なら胸を張って言えるよ。
だから、るいくん。私の分まで、この世界をたくさん楽しんでね。
美しいものをたくさん見て、美味しいものをたくさん食べて、私の分まで生きて。
で、幸せになって。私はそれだけを願ってる。
私の心はずっとお揃いのキーホルダーの中にあるからね。
生まれてきてくれて、私と出会ってくれて、本当にありがとう
大好きだよ
莉緒より」
「……バカ、泣くなって言われても無理だろ」
便箋の上に、大粒の涙がぽたぽたと落ちて、莉緒の文字を少しだけ滲ませていく。
だけど、胸の奥は不思議と温かかった。
莉緒は、最後まで俺に「生きる力」をくれようとしていた。
俺は手紙をぎゅっと胸に抱きしめ、莉緒がくれた愛の深さを、その温もりを、一生忘れないと誓った。