最下位特待生は、学園トップ4の家庭教師になりまして。
それが当たり前だった。

なのに―――あいつは違った。

俺でも気づかなかったことを、真っ直ぐに言い当ててきやがった。

『諦めた人の答案じゃありません』

あの言葉が、なぜか頭から離れない。

「……意味分かんねぇ」

思わずボソッと呟いた。

全国模試一位の、群れない天才特待生。

そう聞いていた。

でも実際は、不安そうな顔で自信なさげにしながらも、

一生懸命向き合ってくる。

群れないどころか、人と関わるのが上手そうだなとさえ思った。

「……」

九条は机の上の問題集を見る。

次までに、この範囲をやっておけと言われた。

普段なら、面倒だと一蹴するだろう。

でも―――

「……やるか」

気づけば、ペンを持っていた。

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