元不良お嬢様〜小さな苺姫の物語〜
どういう関係なのかと聞こうとして、言葉が止まってしまった。人の家庭事情に、いくら幼馴染とはいえ簡単に踏み込んでいいのだろうか。

「どうしたんだよ?」
「やっぱ、なんでもない。
早くよくなってね」
「君らしくもない」
「牛縞君と私は、
いつまでも仲のいい幼馴染でいてくれるよね?」
「何をいまさら」

 私は今朝、
 あの二人が一緒に登校している姿を見て不安になっていたのだ。
 小学校からの幼馴染で、いつも一緒にいることが当たり前だった。
 だけど……もし牛縞君に彼女ができても、
 その日常が当たり前でいられるのだろうか?

「牛縞君、彼女ができてもずっと一緒にいてね」

 私は牛縞君の手をキュッと握りしめた。
 だけど、牛縞君は一瞬顔を赤くすると、
 すぐにそっぽを向いた。

「……わかんね」

 やっぱり、牛縞君の気持ちがわからない。
 幼馴染なのに、何一つわからない。



 学校では委員会を決めるための用紙が配られていた。
 私は保健委員を選んだ。
 なぜなら、喧嘩で傷ついた人に出くわすかもしれないからだ。

 その理由をチェローテに話すと、
「進学校にそんなバカなことするやついないだろ」
 と呆れられた。
 羊飼さんからも、
「そんな理由で委員会を選ばないでください。
それに、喧嘩が強い人は保健室に運ばれないと思いますよ」
 と冷静に突っ込まれてしまった。

 そんな中、保健委員の活動で、
 幼稚園からの幼馴染である寅野君に出会った。

「よ、久しぶり。憶えているか?」
「どうして、ここに……?」
「どうしても何もないだろ」
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